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原著
Enterobacter cloacaeが起炎菌と考えられた高齢者再発深頸部膿瘍の1例
著者: 得居直公12 宇高毅1 塩盛輝夫1 大淵豊明1 坂部亜希子1 平木信明1 鈴木秀明1
所属機関: 1産業医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2町立芦屋中央病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.585 - P.588
文献購入ページに移動近年の抗菌薬の普及と発達により感染症が重症化する頻度は減少傾向にあるものの,逆に新しいタイプの難治性感染症の発生はあとをたたないのが現状である。感染症難治化の要因として,宿主側では易感染者の増加が挙げられ,細菌側としては,細菌の変異,菌交代現象などが挙げられる。なかでも加齢化に伴って発生する日和見感染症は,今後さらに増加の一途をたどることが予想されるため注意を要する。
今回われわれは,日和見感染症の原因菌の一菌種であるEnterobacter cloacae(E. cloacae)が起炎菌と考えられた高齢者再発深頸部膿瘍を経験したので,本症例の病態について考察するとともに,若干の文献的考察を加え検討したので報告する。
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