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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科77巻9号

2005年08月発行

文献概要

シリーズ 難治性疾患への対応

⑦口内乾燥症

著者: 高橋光明1

所属機関: 1旭川赤十字病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.671 - P.674

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Ⅰ はじめに

 日常診療では口内乾燥感を訴えて来院する患者をしばしば経験するが,その診断や治療に難渋する場合も多い。口内乾燥症は1868年にBarltley1)が初めて記載し,“xerostomia”の用語は1888年にHutchinsonとHaddenが使用したとされる。以来,数多くの報告がなされている。口内乾燥症は1つの症状または症候名であり,その程度と病状はさまざまであるが,患者に苦痛を与える口内乾燥感が治療の対象となる。

 口内乾燥症の原因は,大きく分けて以下の4つが考えられるが,原因疾患は多岐にわたる。(1)睡液分泌中枢の障害,(2)導管の通過障害および末梢神経性,(3)腺機能減退,(4)体液,電解質バランスの変化。本稿では,まず唾液の役割と唾液量の問題を概説し,口内乾燥症について症例を呈示しながら,その対応について述べたい。

参考文献

1)Bertrsam U:Xerostomia. Clinical aspects, pathlogy and pathogenesis. Acta Odontologica Scandinaviaca 25(Supl 49):1~126, 1967
2)Batsakis JG:Phisiology. In:Cummings C(ed):Otology Head and Neck Surgry. Mosby, St. Louis, 1993, pp986-996
3)Becks H, et al:Human saliva. J Dental Research 22:391-396, 1943
4)Devin M, et al:Significance of unilateral submandibular gland excision on salivary flow in noncancer patients. Laryngoscope 108:812-815, 1998
5)日野 剛・他:総唾液分泌量検査.口腔咽頭疾患の検査法.金原出版社,東京,1997,pp7-11
6)Bahn SL:Drug-Related Dental Destruction. Oral Surgery, Oral Medicine and Oral Pathology 33:49-54, 1972
7)今野昭義・他:老人の唾液機能.耳鼻咽喉科頭頸部外科MOOK 12.1989,pp151-160,1989
8)Mason DK, et al:Salivary gland in health and disease.唾液腺疾患―診療と指標(山科正平,渡辺建介訳).医歯薬出版,東京.1977

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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