耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻1号

2006年01月発行

原著

最近経験した梅毒の2症例

著者： 望月幸子¹ 望月高行¹ 米田律子¹ 廣瀬肇¹ 佃守² 国村利明³

所属機関： ¹大和徳洲会病院耳鼻咽喉科 ²横浜市立大学大学院医学研究科頭頸部生体機能・病態医科学 ³昭和大学医学部第一病理学教室

ページ範囲：P.59 - P.62

文献概要

梅毒の届出症例数は1980年代に比べて激減しているが，最近の性風俗の多様化により性器病変を伴わない口腔咽頭梅毒がしばしば報告されるようになった^1）。1999年より性病予防法が改正され，梅毒は診断より7日以内に知事に届け出る疾患となった。われわれ耳鼻咽喉科医も日常診療において遭遇する疾患であり注意を要する。今回われわれは，梅毒に特有な咽頭所見を呈した症例と無症候性頸部リンパ節腫脹症例を経験したので若干の考察を加えて報告する。

参考文献

1）McNulty JS, et al：Syphilis；Anotolaryngologic-perspective. Laryngoscope 91：889-905, 1981

2）余田敬子・他：口腔・咽頭梅毒．口腔咽頭科14：255-265，2002

3）荒牧　元：口腔咽頭梅毒．解説（Ⅱ）口腔咽頭梅毒．感染症31：189-190，2001

4）田中寿一・他：頸部腫瘤が主訴であった梅毒の2症例．耳喉頭頸62：209-213，1990

5）荒牧　元・他：鼻・口腔・咽頭梅毒．JOHNS 9：99-104，1993

6）萩原昭治・他：咽喉頭梅毒の臨床経験．JOHNS 7：23-26，1991

7）原田勇彦・他：最近の咽頭梅毒症例から．JOHNS 7：19-22，1991

8）Ismail HK：Gumma of the vocal cord. J Laryngol Otol 80：683-689, 1996

9）高橋廣臣・他：口腔・咽頭および喉頭梅毒の臨床所見．JOHNS 7：27-30，1991

10）Carne C：Sexually transmitted infections. BMJ 317：129-132, 1998