耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻1号

2006年01月発行

原著

無自覚の頸部木片異物の1例

著者： 飛田忠道¹² 三上喜久¹ 村下秀和² 原晃³

所属機関： ¹水戸赤十字病院耳鼻咽喉科 ²筑波大学附属病院 ³筑波大学臨床医学系耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.69 - P.72

文献概要

頸部異物症例では，受傷時に自覚しているか，あるいは周囲にいた人によって認識されていることがほとんどである。今回われわれは，診断と治療に難渋した無自覚の頸部木片異物症例を経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1）森山郁郎・他：39年間頸部に存在した砲弾片異物の1例．耳喉57：583-587，1985

2）橋本庄二郎・他：長期にわたり下顎孔伝達麻酔時の破折注射針を有する2例について．日本口腔外誌17：340-343，1971

3）中尾芳雄・他：30年間無症状で経過した外傷性頸部異物の1症例．広島医学53：1007-1009，2000

4）Williams MF, et al：Neck needle foreign bodies in intravenous drug abuser. Laryngoscope 103：59-63, 1993

5）那須　隆・他：ヘリカルCTが有用であった頸部木片異物例．耳鼻臨床97：819-824，2004

6）Imokawa H, et al：Penetrating neck injuries involving wooden foreign bodies：the role of MRI and the misinterpretation of CT images. Auris Nasus Larynx 30：145-147, 2003

7）中川尚志・他：頸部刺創性異物症例の検討．耳鼻と臨床34：1145-1148，1988

8）岸本　曜・他：咬筋内木片異物例．耳鼻臨床96：549-552，2003

9）Alford BR, et al：Detection of foreign bodies with computerized tomography. Arch Otolaryngol 105：203-204, 1979

10）音在信治・他：腫瘤形成により偶然発見された頸部刺入異物の1症例．耳喉頭頸75：8-9，2003