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原著
耳下腺ワルチン腫瘍54症例の臨床的検討
著者: 辻雄一郎12 河田了1 吉村勝弘1 李昊哲1 寺田哲也1 竹中洋1
所属機関: 1大阪医科大学耳鼻咽喉科学教室 2大阪府済正会中津病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.777 - P.781
文献購入ページに移動ワルチン腫瘍(Warthin tumor)はpapillary cystadenoma lymphomatosumあるいはadenolymphomaとも呼ばれ,耳下腺腫瘍では多形腺腫に次いで頻度の高い良性腫瘍である1)。多形腺腫とワルチン腫瘍で耳下腺良性腫瘍の約90%を占める2,3)。これまで多形腺腫とワルチン腫瘍の比率は5:1といわれてきたが2),最近の報告ではワルチン腫瘍は増加傾向にある4~6)。耳下腺内には顔面神経が走行しているが,良性であるワルチン腫瘍の場合,顔面神経の確実な温存が望まれる。今回われわれは,最近当科で経験したワルチン腫瘍手術症例54例を対象に,術前診断および術後合併症,特に術後顔面神経麻痺に対する検討を行ったので報告する。
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