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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻11号

2006年10月発行

目でみる耳鼻咽喉科

顔面神経麻痺を合併した伝染性単核球症の1例

著者: 村下秀和14 加藤修2 小野多知夫2 原晃3

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構霞ヶ浦センター耳鼻咽喉科 2総合病院水戸協同病院耳鼻咽喉科 3筑波大学大学院人間総合科学研究科 4筑波学園病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.822 - P.823

文献概要

 伝染性単核球症はヘルペス型ウイルスに属するEBウイルスが病因として知られており,神経親和性が強く,さまざまな神経合併症を起こすことが知られている1)。今回われわれは神経系合併症のなかでも比較的稀な片側性顔面神経麻痺を合併した1例を経験したので報告する。

症例

 患者:18歳男性

 主訴:咽頭痛,左顔面神経麻痺

 既往歴・家族歴:特記すべきことなし。

 現病歴:1999年2月中旬より,咽頭痛,37℃台の発熱を認め,4日後に近医耳鼻咽喉科を受診した。ABPC/SBT点滴加療を受けたが改善せず,同日より左顔面神経麻痺を認めた。また3月上旬より発疹の出現も認めたため,翌日当科を紹介された。

参考文献

1)Grose C, et al:Primary Epstein-Barr virus infection in acute neuroligic disease. N Engl J Med 292:392-395, 1975
2)日沼頼夫・他:EBウイルス―その感染と発症.小児科臨床27:1329-1333,1974
3)江角典子・他:伝染性単核球症に伴う顔面神経麻痺.脳と発達16:301-308,1984
4)加藤千維子・他:伝染性単核球症に伴う顔面神経麻痺の1症例.耳展33:271-275,1990
5)戸島 均・他:口腔癌に対する超選択的動注化学療法.小児耳15:8,1994
6)Waldo RT, et al:Primary Epstein-Barr virus infection in acute neuroligic disease. South Med J 74:1159-1160, 1981

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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