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鏡下咡語
Tympanic isthmus(鼓室峡部)研究の思い出
著者: 本多芳男1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学
ページ範囲:P.866 - P.867
文献購入ページに移動 Tympanic isthmusをここに持ち出した理由は,私の真珠腫研究がisthmusから出発したばかりでなく,isthmusの研究には新鮮な側頭骨標本を使用するので,本研究にも多数の新鮮側頭骨を用いている,したがって,今後このような研究の実施は困難であろうと思いここに持ち出したわけである。そのほか,老人の側頭骨標本においても気胞化が抑制された例では,上鼓室に幼・小児時代に罹患したと思われる慢性炎症の名残の病変が認められるなどの興味ある所見を記録している点でも貴重な研究だと考えここに持ち出した……。
“馬鹿な! 真珠腫を研究するなんて,泥沼に足を突っ込むようになりますよ,やめなさい!”
“馬鹿な! 真珠腫を研究するなんて,泥沼に足を突っ込むようになりますよ,やめなさい!”
参考文献
1)本多芳男:中耳真珠腫の成因論.医学書院,東京,1987,pp791-800
2)Proctor B:Surgical anatomy of the posterior tympanum. Ann Otol 78:1026-1040, 1969
3)Aimi K:The clinical significance of epitympanic mucosal folds. Arch Otolaringol 94:499-508, 1971
4)宮島逸郎:Tympanic mucosal foldの臨床解剖学的研究.耳展24(補3):217-258,1981
5)宮島逸郎・他:Tympanic isthmusが開存していた弛緩部型真珠腫について(非進行性弛緩部型真珠腫).耳展27:73-79,1984
6)本多芳男・他:耳小骨連鎖の保存されている真珠腫の病態と手術(手術におけるtympanic isthmusの重要性).耳展41:154-158,1998
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