文献詳細
文献概要
原著
一側声帯麻痺をきたしたKennedy-Alter-Sung症候群の1症例とその筋電図所見
著者: 中村毅1 三枝英人1 愛野威一郎2 松岡智治3 新美成二4 八木聰明1
所属機関: 1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室 2東京臨海病院耳鼻咽喉科 3高島平のど・はな・みみクリニック 4国際医療福祉大学言語聴覚障害学科
ページ範囲:P.887 - P.890
文献購入ページに移動Kennedy-Alter-Sung症候群(球脊髄性筋萎縮症:以下,KAS)は,30~50歳頃に発症し,緩徐に進行する伴性劣性遺伝の下位運動ニューロン疾患である1)。アンドロゲン受容体遺伝子第1エクソン内のCAGリピートの異常伸張がその原因であるとされている1)。その臨床的特徴は左右対称性に,かつ,びまん性に近位筋優位の筋萎縮が進行するというもので,ほかにアンドロゲン受容体遺伝子異常に伴う女性化乳房や睾丸萎縮2),陰萎3),無精子症3)といった内分泌系の症候が合併する4)。しかし,ときに左右非対称性に症候が出現する場合のあることが知られている5~8)。今回,われわれはKASによると考えられた一側声帯麻痺症例を経験したので報告する。
参考文献
掲載誌情報