耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻12号

2006年11月発行

原著

めまい患者における不安についての検討―STAI検査を用いて

著者： 高橋直一¹ 新井基洋¹

所属機関： ¹横浜市立みなと赤十字病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.933 - P.936

文献概要

I．はじめに

　めまい患者と不安の関係については以前よりさまざまな報告がされている^1～9）。今回は入院めまい患者に対して，40項目のアンケート形式で不安を状態不安（測定時点での不安の強さ）と特性不安（性格特性としての不安になりやすさ）に区別して評価するState-Trait Anxiety Inventory（STAI）検査を施行し，めまいと不安の関係についていくつかの知見が得られたため報告する。

参考文献

1）秋岡勝哉・他：めまい患者の心理テスト成績（第3報）―アンケート調査による治癒群と非治癒群の比較．Equilibrium Res 56：527-529，1997

2）犬飼賢也・他：めまい患者における心理テストの検討．日耳鼻101：1397-1405，1998

3）浅野恭子・他：心因が主たる原因と思われためまい症例の心理的特徴．Equilibrium Res 60：450-455，2001

4）山崎圭奈子・他：心因が主たる原因と考えられためまい症例の臨床像．Equilibrium Res 60：205-210，2001

5）橋本　誠・他：不安とめまい感あるいは耳鳴との関係―STAIを指標にして．耳鼻臨床96：765-770，2003

6）山下裕司・他：メニエール患者の行動特性について―アンケートによるストレスの定量化．Equilibrium Res 57：428-434，1998

7）中山明峰・他：めまい患者に対する集団精神療法．Equilibrium Res 57：588-595，1998

8）中山明峰・他：心理的要素の強いめまい患者と社会環境因子．Equilibrium Res 59：141-146，2000

9）中山明峰・他：集団療法によるめまい発作の予防の試み．Equilibrium Res 62：537-554，2003

10）徳増厚二：めまいのリハビリテーション．JOHNS 17 ：825-829，2001

11）新井基洋：めまいのリハビリの実施と継続のコツ．めまい診療のコツと落とし穴，高橋正紘（編）．中山書店，東京，2005，pp184-185