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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻12号

2006年11月発行

文献概要

原著

振子様扁桃の1症例

著者: 渡邊健一1 山内陽子1 山岸茂夫1 木村まき1 山口智1 青木秀治1 松本光司2

所属機関: 1日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科学教室 2日本医科大学武蔵小杉病院病理部

ページ範囲:P.937 - P.939

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I.はじめに

 振子様扁桃は,1885年Jurasz1)によって鼻声を主訴とする18歳男性の症例が最初に報告され,1898年にFinder2)が振子様扁桃と命名した。以来,さまざまな報告がなされ1~13),現在では3型に分類されている3,4)。1型は扁桃自体が振子様に突出しており,真性振子様扁桃と呼ばれている。2型は口蓋扁桃から扁桃組織の一部が有茎性に突出しており,扁桃腺と同様の組織を有している。これらに対し,3型は扁桃とは異なった組織が突出しているものである。今回,われわれは喉頭蓋に達し,組織学的に線維腫と診断された振子様扁桃の1症例を経験したので報告する。

参考文献

1)Jurasz A:Casuistische beiträge zur lehre von den anomalien der gaumentonsillen. Monatsschrift fur Ohrenheilkunde Kehlkopf-, Nasen-, Rachen-Krankheiten 19:361-365, 1885
2)Finder G:Zur pathologischen Anatomie der Tonsille. Archiv fur Laryngologie und Rhinologie 8:354-361, 1898
3)大井聖幸・他:口蓋扁桃に発生した線維腫の1症例.耳喉頭頸64:839-842,1992
4)井口晃一・他:線維腫様像を呈した振子様口蓋扁桃症例.耳喉40:689-692,1968
5)中村文昭・他:有茎性扁桃囊腫の1症例.耳鼻臨床60:533-537,1967
6)Hiraide F, et al:Lymphangiectatic fibrous polyp of the palatine tonsil. A report of three cases. J Laryngol Otol 99:403-409, 1985
7)赤池清美:振子様口蓋扁桃腺の3例.日耳鼻53:173-177,1950
8)平出文久・他:口蓋扁桃のlymphangiectatic fibrous polyp症例の検討.耳喉56:425-431,1984
9)鈴木政美・他:振子型を呈した口蓋扁桃乳頭状肥大症の1例.耳喉頭頸75:573-575,2003
10)末野康平・他:口蓋扁桃の良性腫瘍―貯留囊胞などの良性腫瘤性病変を含む.JOHNS 12:981-988,1996
11)Hara HJ:Benign tumors of the tonsil with special reference to fibroma. Archiv Otolaryngol 18:62-69, 1933
12)赤木博文・他:特殊な扁桃肥大―振子様扁桃・乳頭状扁桃肥大.JOHNS 12:977-980,1996
13)細川美佳・他:振子様扁桃の4症例.耳喉頭頸69:76-79,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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