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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻12号

2006年11月発行

文献概要

原著

喉頭全摘後の再発癌に対して遊離空腸とDP皮弁で再建を行った1例

著者: 舘一史1 中川雅裕1 飯田拓也1 福島千尋1 鬼塚哲郎2 海老原充2 飯田善幸2 瀧澤義徳2 石木寛人2 坪佐恭宏3 佐藤弘3

所属機関: 1静岡県立静岡がんセンター形成外科 2静岡県立静岡がんセンター頭頸科 3静岡県立静岡がんセンター食道外科

ページ範囲:P.947 - P.950

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I.はじめに

 DP皮弁(deltopectoral flap)は頭頸部外科領域の再建に広く用いられている皮弁で,頭頸部癌の頸部皮膚合併切除の再建や術後に生じた瘻孔の閉鎖に使用されることが多い1)。一方,遊離空腸移植は現在では主に咽頭・喉頭・頸部食道摘出術に対して用いられ,標準的再建方法の1つとなっている。咽頭・喉頭・頸部食道に加えて頸部皮膚も切除される症例で遊離空腸とDP皮弁を組み合わせることにより一期的に再建した報告は比較的少ない2)。今回,喉頭癌の喉頭全摘後に皮下に再発を認め,下咽頭,頸部食道,皮膚を合併切除した症例に対して遊離空腸とDP皮弁を組み合わせて再建を行い,良好な結果を得ることができたので,若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)中塚貴志・他:下咽頭・頸部食道癌切除後の再建手術法の変遷と各術式の評価.国立がんセンターにおける過去30年間の症例の検討.日本癌治療学会誌32:10-19,1997
2)McCarthy C, et al:Tracheostomal and cervical esophageal reconstruction with combined deltopectoralflap and microvascular free jejunal transfer after central neck exenteration. Plast Reconstr Surg 15:1304-1310, 2005
3)Bakamjian VY:A two-stage method for pharyngoesophageal reconstruction with a primary pectoral skin flap. Plast Reconstr Surg 36:173-184, 1965
4)清川兼輔・他:有茎皮弁・筋皮弁による頭頸部再建(大胸筋皮弁・D-P皮弁).皮弁・筋皮弁実践マニュアル,波利井清紀(編).全日本病院出版会,東京,2002,pp85-92
5)Seidenberg B, et al:Immediate reconstruction of the cervical esophagus by a revascularized isolated jejunal segment. Ann Surg 149:162-171, 1959
6)井上要二郎・他:遊離空腸による下咽頭・頸部食道の再建.形成外科ADVANCEシリーズ1-10,腫瘍切除後の再建外科:最近の進歩,田井良明(編).克誠堂出版,東京,1996,pp91-101

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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