文献詳細
文献概要
シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
⑨人工内耳埋め込み術
著者: 三浦誠1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科
ページ範囲:P.975 - P.982
文献購入ページに移動Ⅰ はじめに
2003年度から全国82の特定機能病院の入院病床においてdiagnosis procedure combination(DPC)による包括的診療報酬制度が導入されたが,その後,試行的適応病院62施設,DPC包括払い希望の調査協力病院216施設にも広がりをみせ,2006年6月現在合計360施設がDPC対象病院となっている1)。DPCの大きな特徴は包括評価であることおよび入院期間に応じた報酬が特に入院の初期に重点的に評価されている点にある。
したがって,DPC対象の病院では必要な医療をできるだけ効率的に提供し,漫然とした長期入院をなくすことが求められ,クリニカルパス(以下,パスと略す)の重要性が大きい。パスの活用によりどの段階で,どのような治療や検査が行われ,どの薬剤や材料が使用されるかが明確になり,適切な医療の提供のための必要なコスト管理・分析が容易になると考えられている1)。
本稿では当科で施行されている人工内耳埋め込み術のパスを紹介し,その有用性と問題点,DPCとの関連について述べる。
2003年度から全国82の特定機能病院の入院病床においてdiagnosis procedure combination(DPC)による包括的診療報酬制度が導入されたが,その後,試行的適応病院62施設,DPC包括払い希望の調査協力病院216施設にも広がりをみせ,2006年6月現在合計360施設がDPC対象病院となっている1)。DPCの大きな特徴は包括評価であることおよび入院期間に応じた報酬が特に入院の初期に重点的に評価されている点にある。
したがって,DPC対象の病院では必要な医療をできるだけ効率的に提供し,漫然とした長期入院をなくすことが求められ,クリニカルパス(以下,パスと略す)の重要性が大きい。パスの活用によりどの段階で,どのような治療や検査が行われ,どの薬剤や材料が使用されるかが明確になり,適切な医療の提供のための必要なコスト管理・分析が容易になると考えられている1)。
本稿では当科で施行されている人工内耳埋め込み術のパスを紹介し,その有用性と問題点,DPCとの関連について述べる。
参考文献
1)三菱ウエルファーマ株式会社営業本部営業推進部:DPCはやわかりマニュアル.三菱ウエルファーマ株式会社営業本部(編).三菱ウエルファーマ株式会社,大阪,2006,pp1-31
2)池田俊也:DPCとクリティカルパス―DPCに対する医療機関の対応.医療マネジメント学会雑誌6:599-603,2006
3)高橋勇二・他:DPC対応型クリティカルパスの作成.医療マネジメント学会雑誌6:638-641,2006
4)今田光一:電子カルテのクリティカルパス―実例から見た利点・問題点.医療マネジメント学会雑誌6:594-598,2006
5)久保 武:人工内耳手術の合併症とその対策.JOHNS 20:75-78,2004
6)熊川孝三:人工内耳埋め込み術.JOHNS 20:1063-1068,2004
7)坂本すが:クリティカルパスの基本と記録.医療マネジメント学会雑誌6:590-593,2006
掲載誌情報