icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻2号

2006年02月発行

特集 耳鼻咽喉科領域の疼痛

4.頸部の痛み

著者: 平林秀樹1

所属機関: 1獨協医科大学耳鼻咽喉科気管食道科

ページ範囲:P.121 - P.126

文献概要

Ⅰ.はじめに

 頸部痛を主訴に来院する患者は,耳鼻咽喉科領域にとどまらず,整形外科,脳外科,内科などさまざまな領域の疾患を含む。われわれ耳鼻咽喉科医は,関連する領域をふまえて診療に当たらなければならない。頸部は,大きく分けて前頸部と後頸部に分けられる。前頸部は,咽喉頭疾患,唾液腺疾患,気管・食道疾患,甲状腺疾患など耳鼻咽喉科領域が多い。一方,後頸部は,頸椎症,脊椎疾患など,整形外科・脳外科領域疾患が多い。

 診療においては,病歴の聴取,視診,触診が基本であり,さらに内視鏡,およびCT,MRなどの画像診断,超音波などを駆使して行う。病歴の聴取については,痛みの発生時期,範囲のほか,嚥下痛,放散痛や嚥下困難嗄声の有無なども確認する。視診では,腫脹や皮膚の発赤,喉頭の変位の有無を確認する。触診では,患者の前後から行うことが有効である。甲状腺部の触診は,患者にカラ嚥下をさせて行うのがよい。胸鎖乳突筋の裏面も十分に行い,痛みを訴える部位から離れたところから触診する。本稿では,耳鼻咽喉科で多く用いられている頸部三角別(図1)に代表的疾患の診断・治療を紹介する。

参考文献

1)大野健次・他:失神発作を伴った特発性上喉頭神経痛の1例.ペインクリニック11:548-552,1990
2)寺山和雄・他:頸部の痛み.整形外科痛みへのアプローチ,河合伸也(編).南江堂,東京,1999,p50
3)寺山和雄・他:頸部の痛み.整形外科痛みへのアプローチ,河合伸也(編).南江堂,東京,1999,p105
4)大瀬戸清重:ペインクリニック診断・治療ガイド―痛みからの解放とその応用.日本医事新報社,東京,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら