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原著
乳幼児深頸部膿瘍の1症例
著者: 木村美和子12 中嶋正人2 渡部雅勝3 二藤隆春1 田山二朗14
所属機関: 1東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科頭頸部外科 2竹田綜合病院耳鼻咽喉科 3竹田総合病院小児科 4国立国際医療センター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.143 - P.146
文献購入ページに移動頭頸部の重要な血管や神経,および筋肉の周囲には疎な結合組織からなる多くの間隙が存在し,これらの間隙にほかの部位からの感染が波及し蜂窩織炎や膿瘍を形成すると,急速かつ広範に病変が進展することがある。近年,深頸部感染症の報告は増加傾向にあり1),抗菌薬投与や外科的治療など適切で迅速な治療の必要性が強調されている。特に,本症例のように乳幼児では,症状の訴えが不明瞭であり診断が確定するまでに時間を要する場合もある2,3)。
今回,われわれは,特に基礎疾患のない乳幼児に発生した深頸部膿瘍の1症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
参考文献
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