文献詳細
原著
プロトンポンプ阻害剤が著効した声帯ポリープの1例
著者: 金林秀則1 塚原清彰1 荒木進1 北村剛一2 鈴木衞1
所属機関: 1東京医科大学耳鼻咽喉科学教室 2総合病院厚生中央病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.233 - P.235
文献概要
胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:以下,GERD)のなかでも耳鼻咽喉科領域の症状を訴える症例は,咽喉頭酸逆流症(laryngopharyngeal reflux disease:以下,LPRD)と呼ばれる。Sataloffは嗄声をGERDの食道外病変の第一に挙げており1),近年,本邦でもLPRDと音声障害の関連について報告されている2,3)。しかし声帯ポリープは,循環障害により生じ手術的切除が治療の中心となることもあって,LPRDと声帯ポリープの因果関係を明らかにした報告はない。
今回われわれは,術後約1か月で再発をきたした声帯ポリープがプロトンポンプ阻害剤(以下,PPI)にて消失した症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。
参考文献
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