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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻3号

2006年03月発行

原著

プロトンポンプ阻害剤が著効した声帯ポリープの1例

著者: 金林秀則1 塚原清彰1 荒木進1 北村剛一2 鈴木衞1

所属機関: 1東京医科大学耳鼻咽喉科学教室 2総合病院厚生中央病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.233 - P.235

文献概要

I.はじめに

 胃食道逆流症(gastroesophageal reflux disease:以下,GERD)のなかでも耳鼻咽喉科領域の症状を訴える症例は,咽喉頭酸逆流症(laryngopharyngeal reflux disease:以下,LPRD)と呼ばれる。Sataloffは嗄声をGERDの食道外病変の第一に挙げており1),近年,本邦でもLPRDと音声障害の関連について報告されている2,3)。しかし声帯ポリープは,循環障害により生じ手術的切除が治療の中心となることもあって,LPRDと声帯ポリープの因果関係を明らかにした報告はない。

 今回われわれは,術後約1か月で再発をきたした声帯ポリープがプロトンポンプ阻害剤(以下,PPI)にて消失した症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)Robert T, et al:Gastroesophageal Reflux Disease:An Overview of Clinical Presentation and Epidemiology. Reflux Laryngitis and Related Disorders. Singular, San Diego, 1999, pp33-40
2)塚原清彰・他:胃食道逆流症と音声障害の関連について.耳鼻と臨床47:61-65,2001
3)塚原清彰・他:音声障害.JOHNS 20:985-988,2004
4)川村理恵・他:喉頭微細手術施行例.日気食会報43:419-426,1992
5)井上 斉・他:下咽頭喉頭所見と逆流性食道炎の関連について.日気食会報46:452-457,1995
6)福田宏之:声帯(喉頭)ポリープの病因,病態,治療法.耳鼻咽喉科・頭頸部外科クリニカルトレンド,野村恭也・他(編).中山書店,東京,1996,pp212-213

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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