文献詳細
文献概要
症候群事典 C
Crouzon syndrome
著者: 橋本省1
所属機関: 1国立病院機構仙台医療センター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.83 - P.83
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頭蓋顔面骨形成不全症(craniofacial dysostosis)ともいわれる。頭蓋骨間(主に冠状縫合あるいは全縫合),頭蓋骨と顔面骨との間の縫合が早期に閉じることにより,上顎形成不全・眼球突出・尖頭をきたし特異な顔貌を示す1)。さらに合指肢症を合併するとApert症候群となる。常染色体優性遺伝とされ,原因遺伝子は第10染色体上のFGFR2(fibroblast growth factor recepter 2)遺伝子である2)。ただし,約25%の症例は家族歴がなく突然変異とされる。
病態生理
胎生期に眼窩壁に沿って上顎骨の上方・後方の縫合が癒合することにより,上顎骨の前下方への成長・平行移動が妨げられ中顔面の発育不全が起こるため,相対的に眼球突出が生じる。同様に相対的に下顎突出も起きるが,下顎自体も大きいことが多いとされる。ただし小額症を合併することもある。頭蓋は複数あるいは全縫合の癒合により前後,外側に拡大できないため大泉門に向かって大きくなり尖頭をきたす。
頭蓋顔面骨形成不全症(craniofacial dysostosis)ともいわれる。頭蓋骨間(主に冠状縫合あるいは全縫合),頭蓋骨と顔面骨との間の縫合が早期に閉じることにより,上顎形成不全・眼球突出・尖頭をきたし特異な顔貌を示す1)。さらに合指肢症を合併するとApert症候群となる。常染色体優性遺伝とされ,原因遺伝子は第10染色体上のFGFR2(fibroblast growth factor recepter 2)遺伝子である2)。ただし,約25%の症例は家族歴がなく突然変異とされる。
病態生理
胎生期に眼窩壁に沿って上顎骨の上方・後方の縫合が癒合することにより,上顎骨の前下方への成長・平行移動が妨げられ中顔面の発育不全が起こるため,相対的に眼球突出が生じる。同様に相対的に下顎突出も起きるが,下顎自体も大きいことが多いとされる。ただし小額症を合併することもある。頭蓋は複数あるいは全縫合の癒合により前後,外側に拡大できないため大泉門に向かって大きくなり尖頭をきたす。
参考文献
1)大森喜太郎・他:先天性奇形.先天性形態形成異常.Crouzon病.日本臨床別冊神経症候群Ⅲ:565-567,2000
2)Carinci F, et al:Apert and Crouzon syndromes:Clinical findings, genes and extracellular matrix. J Craniofac Surg 16:361-368, 2005
3)Tessier P:Craniofacial surgery in syndromic craniosynostosis. In:Craniosynostosis, ed by Cohen MM. Raven Press, New York, 1986, pp321-411
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