文献詳細
症候群事典 K
Kartagener syndrome(immotile cilia syndrome)
著者: 上條篤1 増山敬祐1
所属機関: 1山梨大学医学部耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.147 - P.148
文献概要
副鼻腔炎,気管支拡張症,内臓逆位を三徴とする疾患で,20世紀初頭から報告があり,1933年にKartagener1)が4症例を報告している。
Kartagener症候群患者では,精子鞭毛超微形態に異常があることが1975年に報告され2),不妊の原因となっていることが判明した。その後,気道上皮においても線毛超微形態の異常が指摘されるなど,全身の線毛あるいは鞭毛の先天的形態異常をきたす疾患と認識され,immotile cilia syndromeという名称が使用された。最近では,必ずしもすべての症例で線毛運動の停止が認められるわけではないことから,先天的に線毛運動の低下・停止あるいはリズムや協調性の異常が認められる症例に対し,primary ciliary dyskinesia(以下,PCD:原発性線毛運動不全症)という呼称が一般的に用いられ,Kartagener症候群はその一部分症と捉えらている。
参考文献
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