耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻5号

2006年04月発行

症候群事典 M

Marshall-Smith syndrome

著者： 渡邉暢浩¹ 村上信五¹

所属機関： ¹名古屋市立大学医学部耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.174 - P.174

文献概要

定義・概念

　1971年，Marshallら^1）が初めて報告した症候群で，新生児・乳児期の過成長症候群の1つであり，これまで20例ほどの報告があるにすぎない稀な疾患である。根本的には生下時に骨年齢が亢進，早期成熟しているにもかかわらず，その後の成長遅滞がある。特徴的な顔貌として，広い前額，狭い眼窩に伴う眼球突出，鼻尖が上を向いた小さな鼻などがあるほか，多毛，青色強膜，臍ヘルニア，脳梁欠損などを合併するが，呼吸不全を繰り返し早期に死亡する予後不良の症候群である。

参考文献

1）Marshall RE, et al：Syndrome of accelerated skeletal maturationand relative failure to thrive：A newly recognized clinical growth disorder. J Pediatr 78：95-101, 1971

2）Seidahmed MZ, et al：Case of partial trisomy2q3 with clinical manifestations of Marshall-Smith syndrome. Am J Ned Genet 85：185-188, 1999

3）泉川良範：Marshall-Smith syndrome．日本臨床別冊先天異常症候群辞典（下巻），147-148，2001