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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻5号

2006年04月発行

文献概要

症候群事典 O

omohyoid muscle syndrome

著者: 島田剛敏1 久育男1

所属機関: 1京都府立医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.202 - P.202

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定義・概念

 嚥下時に肩甲舌骨筋(omohyoid muscle)の膨隆によって,側頸部に索状または腫瘤状の隆起を生じ,安静時には消退する症候群である。

病因・病態・疫学

 本邦では1例の報告を散見するのみであり,まとまった数の報告はない。Ye1)が1980年に10例を報告しているが,これが最多症例の報告である。若い男性に多いとされている。Omohyoid muscleの膨隆の原因について一定した見解は報告されていないが,変性筋疾患のなかでYe1)はhyaline degenerationを,牧野ら2)は外傷後のmyogenic atrophyを病理組織学的診断を根拠にその原因と報告している。またCaswell3),渋沢ら4)は,omohyoid muscleの舌骨付着部の位置異常により嚥下時に動く甲状軟骨がomohyoid muscleを刺激して筋硬直や異常感が生じるとしている。

参考文献

1)Ye BY:Omohyoid muscle syndrome:Report of a case. Chin Med J 93:65-68, 1980
2)牧野邦彦・他:Omohyoid muscle syndrome.日耳鼻86:721-724,1982
3)Caswell HT Jr:The omohyoid syndrome. Lancet 2:319, 1969
4)渋沢三伸・他:Omohyoid muscle syndromeの1症例.日耳鼻89:833-838,1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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