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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻6号

2006年05月発行

文献概要

原著

甲状腺濾胞性腫瘍の手術適応の検討

著者: 藤久仁親1 藤井隆2 上村裕和2 栗田智之2 赤羽誉2 鈴木基之2 宇和伸浩2 吉野邦俊2

所属機関: 1兵庫医科大学耳鼻咽喉科 2大阪府立成人病センター耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.395 - P.398

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I.はじめに

 甲状腺の悪性腫瘍である濾胞癌と良性腫瘍である濾胞腺腫との手術前の鑑別は,細胞異型や組織構築の異型ではなく,被膜浸潤や脈管浸潤の有無,甲状腺外への転移に有無により決定される。そのため,臨床所見や超音波検査,穿刺吸引細胞診などで微小浸潤型濾胞癌の術前診断をつけることは非常に困難な場合がある。このような場合,診断を含めた手術を患者に勧めることが多く,諸施設間で術式,追加治療が異なるのが実情である。

 そこで,腫瘍最大径と術前サイログロブリン値に関して濾胞癌と濾胞腺腫の間で比較し,手術適応の補助になるかどうかを検討した。

参考文献

1)Kini S R:Guides to clinical aspiration biopsy. In Thyiroid. Vol 3. Igaku-Shoin, New York, 1987, pp57-95
2)小林 薫:甲状腺濾胞癌の手術前診断.Endocrine Surgery 19:194-199,2002
3)河西信勝・他:甲状腺疾患の診療.医学書院,東京,1996,pp16-18
4)横沢 保:甲状腺良性腫瘍.甲状腺・上皮小体アトラス.ベクトル・コア,東京,1990,pp81-82
5)石永 一:甲状腺癌二次治療例の検討.耳喉頭頸69:486-489,1997
6)Cristensen SB, et al:Prediction of malignancy in the solitary thyroid nodule by physical examination, thyiroid scan, fine needle biopsy and serum thyrogobulin. Prospective study of 100 surgically treated patients. Acta Chir Scand 150:433-439, 1984
7)中村賢治:癌化に伴う甲状腺組織内サイログロブリンの糖鎖変異.甲状腺外科第36回研究会,京都,2003,p153

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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