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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻7号

2006年06月発行

文献概要

特集 知っておきたい耳鼻咽喉科疾患の病理

5.唾液腺疾患

著者: 吉原俊雄1

所属機関: 1東京女子医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.477 - P.482

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Ⅰ. はじめに

 唾液腺腫瘍をはじめとする唾液腺疾患は多岐にわたり,その病理組織像はきわめて多彩である。これらの理由から症例によっては病理診断がしばしば困難で,生検のみならず腫瘍全摘出後の組織でさえ病理医によって診断が一致しないことがある。手術後の診断で困惑させられた経験を持つ耳鼻咽喉科医も少なくないと考えられる。比較的特殊な唾液腺腫瘍の専門病理医が少ないこともあり,良・悪性の診断でさえあいまいなことも経験する。治療に当たり唾液腺疾患のそれぞれの概念と臨床的特徴を理解することはいうまでもないが,われわれ臨床医も各腫瘍の病理組織像の特徴を理解しておくことは診断と治療を行ううえで重要なことと考えられる。

参考文献

1)長尾俊孝:唾液腺腫瘍の病理分類.唾液腺腫瘍アトラス,日本唾液腺学会(編).金原出版,東京,2005,pp14-18
2)吉原俊雄:再発性耳下腺多形腺腫.JOHNS 21:1375-1379,2005
3)Honda K, et al:Clonal analysis of the epithelial component of Warthin's tumor. Hum Pathol 31:1377-1380, 2000
4)Yoshihara T, et al:An ultrastructural study of oncocytoma and oncocytic carcinoma of the parotid gland. Med Electron Microsc 30:31-36, 1997
5)Yoshihara T, et al:Ultrastructural and immunohistochemical study of salivary duct carcinoma of the parotid gland. Ultrastruct Pathol 18:553-558, 1994
6)Satoh M, et al:Clinical and ultracytochemical investigation of sialadenoasis. Acta Otolaryngol(Stockh)Suppl 553:122-127, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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