耳鼻咽喉科・頭頸部外科78巻9号

2006年08月発行

特集 耳鼻咽喉科疾患と高齢者（65歳以上）への対応 1．症候

6）舌痛

著者： 五十嵐文雄¹

所属機関： ¹日本歯科大学新潟生命歯学部耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.667 - P.670

Ⅰ．はじめに

　舌痛を訴え受診する患者は多い。その原因も多彩で，局所所見より容易に診断がつき，治療しやすい疾患がある一方で，診断は容易であるが有効な治療法がない例や，局所所見，検査所見に異常がないにもかかわらず痛みが持続し，対応に苦慮する場合も少なくない。

　本稿では高齢者に多くみられる舌痛をきたす疾患について解説する。

参考文献

1）中山明仁・他：舌の解剖―加齢変化を中心に．耳喉頭頸69：99-104，1997

2）日野　剛・他：総唾液分泌量検査．口腔咽頭疾患の検査法，日本口腔・咽頭科学会（編）．金原出版，東京，1997，pp7-15

3）河野えみ子・他：高齢者の口内乾燥感と薬剤との関連について．口咽科9：475-481，1997

4）田中正美・他：味覚障害と舌痛症．耳鼻臨床（補）78：63-69，1995

5）森　良之：舌痛症．綜合臨床53：3141-3142，2004

6）名和照晃・他：舌痛症とその治療．耳鼻42：223-227，1996

7）永井哲夫・他：歯科からみた高齢者の異常感覚．老年精神医学雑誌15：306-311，2004

8）宮地英雄・他：味覚・嗅覚の異常と口腔内の体感異常．老年精神医学雑誌15：299-305，2004

9）井野千代徳・他：口内乾燥感とCandida．耳鼻40：949-953，1994

10）堤　俊之・他：舌痛症と咽喉頭異常感症における臨床像の比較．口咽科10：359-366，1998