文献詳細
文献概要
特集 耳鼻咽喉科疾患と高齢者(65歳以上)への対応 2.全身管理
1)頭頸部癌化学療法
著者: 甲能直幸1
所属機関: 1杏林大学医学部耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.678 - P.682
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
頭頸部癌に対する化学療法の目的は,究極的には生存期間の延長であるが,これに加えて頭頸部癌の特性として喉頭などの臓器機能温存,また嚥下障害,疼痛などを軽減することによるQOLの改善が挙げられる。一方,65歳以上の高齢人口は2004年には約20%であり2015年は26%になると予想されている。また,年齢が進むにつれてさまざまな全身合併症も多くなる。合併症が多ければ沢山の薬剤を服用している可能性が高く,病悩期間が長ければ長期服用されている。薬剤の相互作用を防止するためには詳細な病歴の確認,薬剤のチェックが必要となる。特に他院,他科の処方確認,漢方薬・サプリメントなどにも注意する。
また,頭頸部癌は65歳以上の患者が多い。すなわち高齢化社会が進むにつれてこれからますます増加することが予想される頭頸部癌において,いかに全身状態をコントロールしながら上手く癌化学療法を施行するかは治療成績を向上させるうえでも重要な課題である。
本稿では抗癌剤による有害事象の管理を,有害事象が起こらないようにする管理と,起こったときの管理について分けて述べる。
頭頸部癌に対する化学療法の目的は,究極的には生存期間の延長であるが,これに加えて頭頸部癌の特性として喉頭などの臓器機能温存,また嚥下障害,疼痛などを軽減することによるQOLの改善が挙げられる。一方,65歳以上の高齢人口は2004年には約20%であり2015年は26%になると予想されている。また,年齢が進むにつれてさまざまな全身合併症も多くなる。合併症が多ければ沢山の薬剤を服用している可能性が高く,病悩期間が長ければ長期服用されている。薬剤の相互作用を防止するためには詳細な病歴の確認,薬剤のチェックが必要となる。特に他院,他科の処方確認,漢方薬・サプリメントなどにも注意する。
また,頭頸部癌は65歳以上の患者が多い。すなわち高齢化社会が進むにつれてこれからますます増加することが予想される頭頸部癌において,いかに全身状態をコントロールしながら上手く癌化学療法を施行するかは治療成績を向上させるうえでも重要な課題である。
本稿では抗癌剤による有害事象の管理を,有害事象が起こらないようにする管理と,起こったときの管理について分けて述べる。
参考文献
1)鳥羽研二・他:シンポジウム「老年者の薬物療法」:薬剤起因性疾患.日老医誌36:181-185,1999
2)Braganza J, et al:Rapid evaluation of creatinine clearance. Lancet 1:1133-1134, 1971
3)Graaf HD, et al:Treatment of special breast cancer patients. In:Textbook of Breast Cancer(2nd ed), eds by Bonadonna G. Martin Dunitz, London, 2001, pp321-332
4)Campos D, et al:Prevention of cisplatin-induced emesis by the oral neurokinin-1 antagonist, MK-869, in combination with granisetron and dexamethasone or with dexamethasone alone. J Clin Oncol 19:1759-1767, 2001
5)Gralla RJ, et al:Recommendations of the use of antiemetics:evidence-based, clinical practice guidelines. J Clin Oncol 17:2971-2994, 1999
6)Markman M, et al:Paclitaxel-associated hypersensitivity reactions:experience of the gynecologic oncology program of the Cleveland Clinic Cancer Center. J Clin Oncol 18:102-105, 2000
7)Ciesielski-Carlucci C, et al:Case report of anaphylaxis from cisplatin/paclitaxel and a review of their hypersensitivity reaction profiles. Am J Clin Oncol 20:373-375, 1997
8)Hughes WT, et al:2002 guidelines for the use of antimicrobial agents in neutropenic patients with cancer. Clin Infect Dis 34:730-751, 2002
9)Kohno N, et al:Outpatient chemotherapy for recurrent and/or advanced squamous cell carcinoma of the head and neck. Int J Clin Oncol 4:285-288, 1999
掲載誌情報