文献詳細
シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
文献概要
Ⅰ はじめに
クリニカルパス(以下,パスと略す)は,「医療の質の向上」を目的とした「医療の介入内容を計画化,書式化し,医療の評価と改善を行うためのシステム」であり,すべての疾患について適応することが可能である1)といわれている。現在,多くの医療機関でパスが導入されてきているが,すべての疾患に対して導入することは現実的には難しく,かつ非効率的であるとの意見2)や疾患によっては診療のすべてをパス化するには大きなバリアンスが生じやすく困難でもあるとの意見もあり3),一般的には経過が比較的安定している疾患を対象とすることが多いのが現状である。
耳鼻咽喉科領域では,耳科手術,鼻科手術,喉頭微細手術,口蓋扁桃摘出術などがよい適応といわれている4)。急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍などの感染症では,重症度や外科的処置の要否,合併症の有無などによりその経過にばらつきが生じやすくパスの導入が遅れているのが現状と思われる。
伝染性単核球症は,EBウイルス(Epstein-Barr virus)の初感染による全身感染症であり,発熱,咽頭痛,頸部リンパ節腫脹を3主徴とする疾患である。
しかし,そのほかに肝機能障害や皮膚発疹などの症状がみられることもあり,その経過は必ずしも一定しないため,パスの作成,運用が難しい疾患の1つと思われる。当科では,伝染性単核球症に対するパスを作成し運用をはじめたのでここに紹介する。
クリニカルパス(以下,パスと略す)は,「医療の質の向上」を目的とした「医療の介入内容を計画化,書式化し,医療の評価と改善を行うためのシステム」であり,すべての疾患について適応することが可能である1)といわれている。現在,多くの医療機関でパスが導入されてきているが,すべての疾患に対して導入することは現実的には難しく,かつ非効率的であるとの意見2)や疾患によっては診療のすべてをパス化するには大きなバリアンスが生じやすく困難でもあるとの意見もあり3),一般的には経過が比較的安定している疾患を対象とすることが多いのが現状である。
耳鼻咽喉科領域では,耳科手術,鼻科手術,喉頭微細手術,口蓋扁桃摘出術などがよい適応といわれている4)。急性扁桃炎や扁桃周囲膿瘍などの感染症では,重症度や外科的処置の要否,合併症の有無などによりその経過にばらつきが生じやすくパスの導入が遅れているのが現状と思われる。
伝染性単核球症は,EBウイルス(Epstein-Barr virus)の初感染による全身感染症であり,発熱,咽頭痛,頸部リンパ節腫脹を3主徴とする疾患である。
しかし,そのほかに肝機能障害や皮膚発疹などの症状がみられることもあり,その経過は必ずしも一定しないため,パスの作成,運用が難しい疾患の1つと思われる。当科では,伝染性単核球症に対するパスを作成し運用をはじめたのでここに紹介する。
参考文献
1)松島照彦・他:クリティカルパスとは.ENTONI 37:1-7,2004
2)河田 了:口腔咽頭領域におけるクリニカルパス.ENTONI 37:26-32,2004
3)鈴木雅明・他:耳科領域におけるクリニカルパス.ENTONI 37:8-14,2004
4)齋藤 幹・他:頭頸部癌のクリニカルパス.ENTONI 37:34-39,2004
5)小林大輔・他:伝染性単核球症の臨床的検討と特異な1症例.口咽科16:391-396,2004
6)外島正樹・他:伝染性単核球症.CLIENT21.耳鼻咽喉科と全身疾患.中山書店,東京,2001,pp173-180
7)稲垣太郎・他:当科における伝染性単核球症の臨床的検討.東医大誌60:249-253,2002
8)白幡雄一・他:伝染性単核球症36例の臨床的検討.耳展33:303-310,1990
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