文献詳細
シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
⑳大唾液腺良性腫瘍摘出術
著者: 室野重之1 近藤悟1 脇坂尚宏1 吉崎智一1 古川仭1
所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科感覚運動病態学(耳鼻咽喉科)
ページ範囲:P.867 - P.872
文献概要
すでに本シリーズでもたびたび記されてきたが,わが国では,2003年より特定機能病院の入院診療においてDPC(diagnosis procedure combination)による包括医療が導入された。従来の出来高払いにかわり,疾患別に診療報酬が固定されているため,平均在院日数を短縮し,医療の効率化が求められるようになってきた。クリニカルパス(以下,パスと略す)は,平均的な経過をたどる疾患に対するチーム医療のための,いわば計画表である。パスに従い入院から退院までの治療手順を標準化することにより,医療の質やサービスを低下させることなく,医療経済効果を向上させることが期待される。また,漏れのない安全性を重視したチーム医療が可能になること,若手医療従事者の教育効果などの利点も期待される1)。今回,当科で使用している大唾液腺良性腫瘍摘出術のパスについて,有用性と問題点の検討を行った。
参考文献
掲載誌情報