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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻12号

2007年11月発行

鏡下咡語

ドイツ医学でよかったのか

著者: 綿貫幸三1

所属機関: 1わたぬき耳鼻咽喉科クリニック

ページ範囲:P.943 - P.945

文献概要

 黒船来航による目覚めから,日本は明治維新の革命的近代化に乗り出した。まず西欧による植民地化を避けるため急速な富国強兵が必要であった。そのために採用した重要な柱の1つがプロイセン(ドイツ)の徴兵制である。その軍隊の健康管理に西洋医学は必要だった。

 日本の近代医学は西欧からやってきた。かつて,ポルトガルは南蛮医学をもたらし,次いで,オランダから紅毛医学が伝わった,そのお陰で前野良沢,杉田玄白らによる解体新書の翻訳出版も可能だったのである。ちなみに,解体新書の原本『ターフル アナトミア』はドイツの解剖書,ヨハン クルムス著,1734年のオランダ語訳であった。これは後のドイツ医学との関係を予感させるものであった。江戸時代末期にはシーボルトの来日がある。彼はオランダ商館医だったが,ビルツブルグ大学出身のドイツ人だったのでまたまたドイツ医学とは奇しくも縁があることになる。

参考文献

1)東京大学医学部創立百年記念会(編):東京大学医学部百年史.東京大学出版会,東京,1967
2)塩田広重:日本医学百年史,改訂増補版.臨床医学社,名古屋,1956
3)古賀十二郎:西欧医術伝来史.日新書院,東京,1942

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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