文献詳細
原著
小児に発生した咬筋内神経鞘腫の1例
著者: 山口聡子12 小澤宏之3 坂本耕二3 冨田俊樹3 小川郁3 森泰昌4
所属機関: 1けいゆう病院耳鼻咽喉科 2慶應義塾大学耳鼻咽喉科 3慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科 4慶應義塾大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.1041 - P.1045
文献概要
神経鞘腫は頭頸部領域では比較的多くみられる腫瘍で,神経鞘腫のうち約42%は頭頸部に発生するといわれている1)。頭頸部での好発部位には側頸部,耳下腺,頰部,舌,咽頭などがある。神経鞘腫は筋肉内に発生することがあるが,咬筋内の神経鞘腫の発生は非常に稀である。われわれの渉猟し得た範囲では,日本では過去7例の報告があり,小児例は海外を含め1例の報告があるのみである1~4)。
今回われわれは右咬筋内に発生し,鑑別に苦慮した小児の神経鞘腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
参考文献
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