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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻2号

2007年02月発行

原著

鼻内法で施行した小児線状型眼窩底骨折症例

著者: 山口宗一1 末野康平1 山口威2 岸博行2

所属機関: 1さいたま赤十字病院耳鼻咽喉科 2日本大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.153 - P.157

文献概要

Ⅰ.はじめに

 眼窩底骨折は耳鼻咽喉科の日常診療でしばし遭遇する疾患であり,従来歯齦切開による経上顎洞法での治療が行われることが多かった1)。一方で各病院の診療体制によっては眼科や形成外科で治療が行われ,そこでは経下眼瞼法による報告が多い1~5)。最近は内視鏡下の鼻内法で施行されるようになり,前述の方法に比べて侵襲が小さく,眼窩内側壁骨折の症例では第一選択となっている6)。眼窩下壁の骨折端に絞厄された下直筋の解除を要する線状型眼窩底骨折症例は,鼻内法では難しいとも述べられ7),われわれが渉猟した限り,わが国での症例報告はなかった。

 6歳児の線状型眼窩底の骨折に対して当初,経上顎洞法と鼻内法の併用で手術を予定したが,結果的に鼻内法のみで治療し得た症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)比野平恭之・他:眼窩底吹き抜け骨折と副鼻腔手術.JOHNS 18:1590-1594,2002
2)菅又 章・他:線状型眼窩床骨折の治療法の検討.日職災医誌 52:112-118,2004
3)上条由美・他:小児の眼窩底骨折と内側壁骨折の検討.眼科臨床医報 99:4-7,2005
4)菅又 章・他:小児blowout骨折の臨床的研究.形成外科 43:485-491,2000
5)滝澤裕一・他:小児眼窩骨折21例の検討.眼紀 44:355-358,1993
6)後藤 了:特集 眼窩底骨折の診療はいま―手術適応と術式(3).あたらしい眼科 21:1629-1634,2004
7)山口展正:内視鏡下のblowout fracture整復術.JOHNS 16:95-98,2000
8)藤澤邦見:眼科から見た検査・診断―手術の適応.MB ENT 38:13-21,2004
9)加瀬康弘:眼窩底骨折における複視予後と手術適応の検討.日鼻誌 39:303-312,2000
10)江浦陽一・他:blowout fracture症例の臨床的検討.耳鼻 44:808-814,1998
11)相原隆一:White-eyed blowout fractureの1例.頭頸部外科 14:253-260,2004
12)平田行宏・他:幼児の眼窩底吹き抜け骨折の1症例.JOHNS 14:613-616,1998

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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