文献詳細
文献概要
シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
⑫鼻中隔矯正術
著者: 綿貫浩一1 山下裕司1
所属機関: 1山口大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学分野
ページ範囲:P.177 - P.181
文献購入ページに移動Ⅰ はじめに
医療の質を維持しつつ医療費を効率的に使用するため,さまざまな分野でクリニカルパス(以下,パスと略)の導入が図られている1,2)。耳鼻咽喉科領域でも標準的な治療が疾患ごとにある程度は決まっており,そのなかでも鼻科手術は典型的な経過を辿ることが多く,当科でも最初にパスを導入した疾患群の1つである。
鼻中隔矯正術は鼻中隔彎曲症による鼻閉を改善させるために行われることが多いが,ほかの副鼻腔手術の前段階として鼻副鼻腔全般の形態改善を目的とすることもある。また肥厚性鼻炎を伴っていることが多く,当科ではほとんどの例で下鼻甲介切除術も同時に行っている。原則として全身麻酔下に施行することが多いが,症例により局所麻酔で行うこともある。どちらを選択してもパスとして大きな違いはない。
ほかの鼻科手術に比べて手術侵襲は小さいと思われるが,形態維持のためタンポンをやや長く留置しており,そのために合併症を生じやすくなる一面がある。そのためにパスから逸脱させないように,感染徴候には特に注意が必要である。
また当科は地方の大学病院のために術後処置の一部を担わざるをえず,そのため市中病院のパスと比べるとやや入院期間は長くなっているものと思われる。
医療の質を維持しつつ医療費を効率的に使用するため,さまざまな分野でクリニカルパス(以下,パスと略)の導入が図られている1,2)。耳鼻咽喉科領域でも標準的な治療が疾患ごとにある程度は決まっており,そのなかでも鼻科手術は典型的な経過を辿ることが多く,当科でも最初にパスを導入した疾患群の1つである。
鼻中隔矯正術は鼻中隔彎曲症による鼻閉を改善させるために行われることが多いが,ほかの副鼻腔手術の前段階として鼻副鼻腔全般の形態改善を目的とすることもある。また肥厚性鼻炎を伴っていることが多く,当科ではほとんどの例で下鼻甲介切除術も同時に行っている。原則として全身麻酔下に施行することが多いが,症例により局所麻酔で行うこともある。どちらを選択してもパスとして大きな違いはない。
ほかの鼻科手術に比べて手術侵襲は小さいと思われるが,形態維持のためタンポンをやや長く留置しており,そのために合併症を生じやすくなる一面がある。そのためにパスから逸脱させないように,感染徴候には特に注意が必要である。
また当科は地方の大学病院のために術後処置の一部を担わざるをえず,そのため市中病院のパスと比べるとやや入院期間は長くなっているものと思われる。
参考文献
1)菊地 茂:耳鼻咽喉科・頭頸部外科手術とクリニカルパス―鼻中隔矯正手術,下鼻甲介切除手術.JOHNS 20:1074-1076,2004
2)柳 清:耳鼻咽喉科領域におけるクリニカルパスとインフォームドコンセント―鼻副鼻腔疾患におけるインフォームドコンセント.ENTONI 37:46-52,2004
3)山下裕司:耳鼻咽喉科領域術後感染発症阻止における抗菌薬の選択基準.PTM 11,12(7),2001
4)綿貫浩一・他:術後感染予防における注射薬と内服薬の比較検討.日耳鼻感染誌 23:119-123,2005
5)綿貫浩一・他:術後感染予防に対する抗菌薬投与日数の検討.日耳鼻感染誌 24:174-177,2006
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