耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻3号

2007年03月発行

原著

早期に摘出し得た顎下腺魚骨異物例

著者： 大淵豊明¹ 上田成久¹ 森貴稔¹ 宇髙毅¹ 塩盛輝夫¹ 北村拓朗¹ 藤村武之¹ 鈴木秀明¹

所属機関： ¹産業医科大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲：P.243 - P.246

Ⅰ．はじめに

　唾液腺あるいはその導管に異物が迷入することは稀であるため^1），このような症例に遭遇したときには診断が遅延し，治療に難渋することが多い。今回われわれは術前の画像診断が有効で，早期に摘出し得た顎下腺内魚骨異物症例を経験したので報告する。

参考文献

1）渡辺芳江・他：顎下腺異物の1症例．耳喉頭頸 66：917-920，1994

2）Ricco FJ, et al：Unusual foreign body etiology of sialoadenitis. Arch Otolaryngol 86：210-212, 1967

3）Pratt LW：Foreign body of Wharton's duct with calculus formation. Ann Otol Rhinol Laryngol 77：88-93, 1968

4）関田拓馬・他：前頸部皮下に迷入した魚骨異物の1症例．Tokushima J Med 24：51-54，2002

5）森寺邦康・他：唾石症を疑った顎下腺体内異物（魚骨）の1症例．日口外誌 48：296-299，2002

6）中岡一敏・他：顎下腺腺体内に「稲穂」が迷入した1例．日口外誌 42：876-878，1996

7）清水幹雄・他：口腔から前頸部に移動した魚骨迷入の1例．日口外誌 47：637-640，2001

8）石川　健・他：深頸部膿瘍を生じた下咽頭異物の1例．耳喉頭頸 66：117-120，1994

9）竹内万彦・他：魚骨が原因となった咽後膿瘍例．耳鼻臨床 92：1359-1361，1999

10）宮田寿一・他：総頸動脈を穿孔した下咽頭異物症例．日気食会報 8：82-85，1957