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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻4号

2007年04月発行

原著

甲状腺腫瘍として加療され15年後に確定診断された右側下咽頭梨状窩瘻の1例

著者: 佐藤克郎1 野村智幸3 花澤秀行2 富田雅彦3 渡辺順3 松山洋3 高橋姿2

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学系頭頸部外科学 2新潟大学大学院医歯学系耳鼻咽喉科学 3新潟大学医歯学総合病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.339 - P.342

文献概要

Ⅰ.はじめに

 下咽頭梨状窩瘻は,頸部の下咽頭梨状窩下部すなわち甲状腺付近に反復性の感染を生じて発見される先天性疾患であるが,1970年代後半に初めて報告された比較的新しい疾患概念である1)。そのため,本疾患の知識が普及する以前では下咽頭梨状窩瘻の症例は反復性化膿性甲状腺炎として取り扱われることが多かったと考えられ,甲状腺疾患として加療されていた可能性がある。また本疾患は,発生学的な機序から大多数が左側の梨状窩に生ずる。

 今回われわれは,他院にて甲状腺腫瘍として加療された15年後に,右側に発生した下咽頭梨状窩瘻と確定診断して根治手術を行った1例を経験したので報告する。

参考文献

1)Takai S, et al:Internal fistula as a route of infection in acute thyroiditis. Lancet 7:751-752, 1979
2)Nonomura N, et al:Surgical approach to pyriform sinus fistula. Am J Otolaryngol 14:111-115, 1993
3)栗田知幸・他:下咽頭梨状窩瘻の臨床的検討.日気食会報 56:17-22,2005
4)渡辺太志・他:下咽頭梨状窩瘻に対する手術治療の検討.耳鼻臨床 97:427-431,2004
5)奥野敬一郎・他:下咽頭梨状窩瘻術後再発例の治療経験.日気食会報 54:48-52,2003
6)木村美和子・他:診断に難渋した下咽頭梨状窩瘻の2症例.耳喉頭頸 76:633-638,2004
7)堀 龍介・他:両側下咽頭梨状窩瘻例.耳鼻臨床 95:825-829,2002
8)白石 浩・他:両側下咽頭梨状窩瘻例.日気食会報 52:409-413,2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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