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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻4号

2007年04月発行

シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際

⑭睡眠時無呼吸

著者: 駒田一朗1 清水猛史2

所属機関: 1社会保険滋賀病院耳鼻咽喉科 2滋賀医科大学耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.351 - P.359

文献概要

Ⅰ はじめに

 当院では現在オーダリング導入作業中であり,DPCは導入申請を行っており準備中である。当科では8疾患22種類のクリニカルパス(以下,パスと略す)を運用中である。睡眠時無呼吸においてはポリソムノグラフィ検査入院のパスが6種類(睡眠時無呼吸の診断,CPAPの効果判定,経過観察,口腔内装置の効果判定,手術の効果判定),手術治療の2種類(軟口蓋形成術,軟口蓋形成術と鼻中隔矯正術)がある。DPCにおいて睡眠時無呼吸の手術は,

 (1)K377 口蓋扁桃手術

 (2)K407-2 軟口蓋形成手術

 (3)K426-1 口唇裂形成手術(軟口蓋形成術は2006年4月に新設され,それまではいびきに対する軟口蓋手術は唇裂形成手術で請求することとなっていた。)

 (4)K-443 上顎骨形成手術

 (5)K-444 下顎骨形成手術

 (6)その他のKコード

が挙げられている1)。睡眠時無呼吸症候群と診断した際にはCPAP,口腔内装置,口蓋扁桃手術,軟口蓋形成手術,下顎骨・上顎骨形成手術などの選択肢を紹介し治療を開始しているが,下顎骨・上顎骨形成手術の経験はなく,実際に行っている治療はCPAP,口腔内装置,口蓋扁桃手術,軟口蓋形成手術である。睡眠時無呼吸に対するUPPP手術は軟口蓋形成手術(7,800点)に相当する。当科の入院症例の約6割が睡眠時無呼吸およびそのほかの睡眠障害で,手術症例の約4割が睡眠時無呼吸に関連した手術で占められている。

 鼻呼吸が障害されると睡眠が障害されるだけでなく,鼻閉によりCPAPおよびその他の治療において治療継続に支障をきたすため鼻呼吸の改善は重要である2)。鼻中隔矯正術や下鼻甲介手術は睡眠時無呼吸の治療に伴いよく行われる重要な手術である。軟口蓋形成手術は全身麻酔下に行い16日間の入院パスを用いていたが,入院期間13日間のパスと鼻中隔矯正術を術後7日目に行うパスを追加し運用している。ここでは入院期間13日の軟口蓋形成手術のパスを紹介する(図1,2)。

参考文献

1)医学通信社編集部(編):DPC点数早見表.医学通信社,東京,2006,pp54-65
2)千葉伸太郎:鼻呼吸とOSAHS.睡眠時呼吸障害Update 2006,井上雄一・他(編).日本評論社,東京,2006,pp53-60
3)真鍋健一:標準クリティカルパス作成ソフト(Microsoft Excelテンプレート)の使用法.クリティカルパス最近の進歩2003,医療マネジメント学会(編).じほう,東京,2003,pp135-144
4)Hockenberry MJ, et al:Wong's Essentials of Pediatric Nursing, 7th ed. Mosdy, St. Louis, 2005, p1259
5)Wong DL, et al:Pain in children:comparison of assessment scales. Pediatr Nurs 14:9-17, 1988
6)勝尾信一:オールヴァリアンス分析.オールインワンパス活用実例集,福井総合病院クリティカルパス委員会(編).日総研出版,名古屋,2005,pp74-89
7)勝尾信一:バリアンス分析総論.医療マネジメント学会 7:395-399,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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