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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻5号

2007年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に

各論

1.聴力とめまい 3)内耳性めまい一般―内耳性めまいのリハビリテーション

著者: 山本昌彦1 吉田友英1

所属機関: 1東邦大学医療センター佐倉病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.85 - P.89

文献概要

Ⅰ はじめに

 内耳前庭器官と前庭神経にかかわる障害によって起こるめまいを内耳性めまいという。

 内耳障害はさまざまな原因によって起こるが,必ずしも明確でない場合も多い。また,内耳性か中枢性かの区別も難しいことがある。内耳性めまいは,メニエール病,めまいを伴う突発性難聴,前庭神経炎,良性発作性頭位めまい症などが代表的疾患であるが,二次的にもたらされる内耳障害のめまいとして,中耳真珠腫・急性中耳炎などの中耳炎による内耳障害,アミノグリコシド系抗菌薬・シスプラチン抗癌剤などによる薬物性内耳障害など多々みられる。これらの内耳障害は,急性なめまい症状として回転性めまい感・フラツキ感とともに悪心・嘔吐が出現,歩行すら困難になる。その後に,ふらつき症状が障害の強さに応じて続くが次第に回復してくる。内耳障害も障害の起こり方によって急性なめまいと動揺感・ふらつきなど症状はさまざまである。治療として急性期には対処療法が主に行われるが,急性期以降の症状についてはさまざまな動揺感を残すことがあり,これらの症状には慢性化するふらつき感が残存し,さまざまな不快な症状を残すために治療が必要である。しかし,これらの治療には具体的な方法として示されたものは少なく,今後の検討が必要である1,2)。ここでは,今までわれわれが行ってきた方法について示す。

参考文献

1)Cawthorne T:Vestibular injuries. Proc Roy Soc Med 39:270, 1946
2)Hecker HC, et al:Treatment of the vertiginous patient using Cawthorne's vestibular exercises. Laryngoscope 84:2065-2072, 1974
3)山本昌彦・他:両側前庭機能障害者のリハビリテーション効果―重心動揺速度よりみた訓練の評価.Equilibrium Res(Supple) 5:170-175,1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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