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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻5号

2007年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に

各論

2.音声言語ならびに嚥下 2)嚥下障害の初期対応―リハビリテーション専門病院の提言

著者: 伊藤裕之1

所属機関: 1神奈川リハビリテーション病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.123 - P.126

文献概要

Ⅰ はじめに

 当科で治療を行う嚥下障害症例は,進行性神経筋疾患を除くと,全例が他院にて急性期の治療を受けた後当院に紹介された症例である。リハビリテーション専門病院の耳鼻咽喉科にて嚥下障害の治療を行うようになって約四半世紀になる。この間に嚥下障害を取り巻く環境は大きく変化した。嚥下障害に関心が集まるようになり,当初は未治療のまま放置されていた症例が少なからずみられた。しかし,最近では,他院にて治療を受けたにもかかわらず,経口摂取が可能にならなかった症例が増加している1)。最近の保健医療制度の変更に伴い,発症後6か月以上経た症例ではリハビリテーションが実施しにくくなり,効率よく嚥下障害の治療を行うことが要求されるようになった。本稿では,リハビリテーション専門病院の立場から,急性期の嚥下障害を扱うことが多い基幹病院(本稿では,急性期の疾患を扱うことが多い一般市中病院を基幹病院とさせていただく)の嚥下障害の対応について述べたい。

参考文献

1)吉田哲二:正常嚥下に関する筋電図的ならびにX線的研究.耳鼻と臨床 25:824-872,1979
2)伊藤裕之:延髄梗塞による嚥下障害の予後に関する文献的考察と機能訓練の有効性の検討.日気食会報 57:335-344,2006
3)伊藤裕之・他:なぜ咽頭期嚥下障害に対して機能訓練は有効なのか.日気食会報 57:1-7,2006
4)伊藤裕之・他:急性期頸髄損傷例における嚥下障害の発生機序と機能訓練.耳喉頭頸 75:58-62,2003
5)小泉千秋・伊藤裕之・他:間接的機能訓練が有効であった聴神経腫瘍術後嚥下障害の1例.日気食会報 55:461-467,2004
6)森田智之・伊藤裕之・他:全身的間接的機能訓練が有効であった嚥下機能が低下した慢性期脳血管障害の1症例.音声言語医学 46:105-109,2005
7)古川浩三:嚥下における喉頭運動のX線学的解析.日耳鼻 87:169-181,1984
8)伊藤裕之・他:嚥下障害の治療―特に原因疾患の急性期の嚥下障害.JOHNS 20:1581-1586,2005
9)伊藤裕之・他:嚥下障害のプライマリケア.医事新報 4178:10-15,2004
10)伊藤裕之・他:耳鼻咽喉科医から見た嚥下障害のチーム医療.ENTONI 9:50-55,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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