文献詳細
特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に
各論
文献概要
Ⅰ はじめに
口腔がんの手術後は何らかの咀嚼障害が認められ,同時に嚥下障害も伴っていることが多い。そして,腫瘍の原発部位や切除範囲によってこれら障害の複合度は異なってくる。例えば,舌がんは切除範囲が小さければ咀嚼・嚥下ともさほど問題にならない。しかし可動部舌の切除範囲が広くなると咀嚼機能が主に障害され,また舌根部の切除が加わることにより嚥下障害も加わってくる。一方,下歯肉がんなどで下顎骨の切除が必要な症例では術後の咀嚼が問題となるが,舌の合併切除がなければ嚥下障害の程度は軽い。
ここでは口腔がん術後の咀嚼に関して,機能を保持するための工夫と術後のリハビリテーションについて症例を呈示し述べる。
口腔がんの手術後は何らかの咀嚼障害が認められ,同時に嚥下障害も伴っていることが多い。そして,腫瘍の原発部位や切除範囲によってこれら障害の複合度は異なってくる。例えば,舌がんは切除範囲が小さければ咀嚼・嚥下ともさほど問題にならない。しかし可動部舌の切除範囲が広くなると咀嚼機能が主に障害され,また舌根部の切除が加わることにより嚥下障害も加わってくる。一方,下歯肉がんなどで下顎骨の切除が必要な症例では術後の咀嚼が問題となるが,舌の合併切除がなければ嚥下障害の程度は軽い。
ここでは口腔がん術後の咀嚼に関して,機能を保持するための工夫と術後のリハビリテーションについて症例を呈示し述べる。
参考文献
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