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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻5号

2007年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に

各論

4.頭頸部腫瘍術後の機能回復 4)喉頭摘出後の音声獲得 (2)電気喉頭

著者: 鈴木康士1 大友希和2 大森孝一1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部耳鼻咽喉科学講座 2福島県総合療育センター

ページ範囲:P.203 - P.209

文献概要

Ⅰ 電気喉頭による発声の仕組みと特徴
 喉頭全摘術は喉頭癌や下咽頭癌症例に対して行われる。喉頭摘出後には音声言語機能を喪失するため,身体障害者3級となり,喉頭音声に代わる音声の再獲得が必要となる。

 喉頭摘出後に音声を再獲得する試みは,1873年Billrothが最初の喉摘を行った翌年から始まり,その後,種々の発声方法が報告されてきた。代用発声法としては,食道発声,気管食道シャント発声,笛式人工喉頭,電気喉頭の4種類がある。ここでは,その1つである電気喉頭について述べる。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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