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原著
中間鎖骨上神経と外側鎖骨上神経の分岐部より発生した神経鞘腫例
著者: 上田大1 中井茂2
所属機関: 1綾部市医療公社綾部市立病院耳鼻咽喉科 2京都府立医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.389 - P.393
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
頸神経由来の神経鞘腫は後頸部に,腕神経叢由来の神経鞘腫は鎖骨上に無痛性で表面平滑な腫瘤として触知することが多いとされる1)。今回われわれは頸部の皮下腫瘤を主訴とし,中間鎖骨上神経と外側鎖骨上神経の分岐部より発生した稀な神経鞘腫の症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
頸神経由来の神経鞘腫は後頸部に,腕神経叢由来の神経鞘腫は鎖骨上に無痛性で表面平滑な腫瘤として触知することが多いとされる1)。今回われわれは頸部の皮下腫瘤を主訴とし,中間鎖骨上神経と外側鎖骨上神経の分岐部より発生した稀な神経鞘腫の症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
参考文献
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