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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻7号

2007年06月発行

文献概要

特集 新生児聴覚検診の役割

4.難聴が確定した場合の対処 2)人工内耳

著者: 井脇貴子1 多田麻佐美1 久保武1

所属機関: 1大阪大学大学院医学研究科耳鼻咽喉

ページ範囲:P.501 - P.506

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Ⅰ.はじめに

 小児への人工内耳は早期手術の効果が認められ,適応も拡大されるに伴って,近年急速に普及してきている。先天聾や言語習得前失聴の小児では,低音部に残聴をもつが,中-高音部では音に対する反応が全くないことが多い。このような場合,母音は聴取できても子音の聴取が困難で,言葉の聞き取り,発語に関しても満足される結果は得がたい。一方,人工内耳では周波数の弁別は劣るものの高音部まで十分な音を中枢聴覚系に与えることができる利点を有している。

参考文献

1)久保 武・他:小児人工内耳埋め込み術におけるリスクマネージメント.耳鼻と臨床 48(補2):S70-S76,2002
2)中村公枝:WHO技術マニュアル2.難聴乳幼児のハビリテーション,国立身体障害者リハビリテーションセンター・学院,所沢,1997
3)Zimmerman-Philips S, et al: Assesing cochlear implant benefit in very young children. Ann Otol 109(Suppl):185:42-44, 2000
4)McCormic B, et al:Cochlear implants for young children:The Nottingham Approach to Assessment and Rehabilitation. Whurr Publishers Ltd, London, 1995
5)Tyler RS, et al:Speech perception by prelingually deaf children after six years of cochlear implant use:Effects of age at implantation. Ann Otol 109(Suppl): 185:82-84, 2000
6)井脇貴子:人工内耳装用児の聴取能および言語発達の経過について.音声言語医学 47:298-305,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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