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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻7号

2007年06月発行

文献概要

原著

自殺企図による頸部切創の4症例

著者: 山崎宗治1 舘田勝1 工藤貴之3 宮崎真紀子4 長谷川純1 嵯峨井俊1 中目亜矢子1 片桐克則1 古川宗2 東和明2 小山敦2 小林俊光5

所属機関: 1いわき市立総合磐城共立病院耳鼻咽喉科 2いわき市立総合磐城共立病院救命センター 3東北公済病院耳鼻咽喉科 4大崎市民病院耳鼻咽喉科 5東北大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科

ページ範囲:P.509 - P.513

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Ⅰ.はじめに

 頸部外傷は救急の現場において遭遇する可能性のある疾患の1つである。われわれ耳鼻咽喉科医は頸部の構造を熟知しその対応については日頃より準備をしておく必要がある。頸部は気道,血管,神経,頸椎,食道など多くの重要臓器を有しており,創の状態によっては喉頭気管損傷による気道閉塞,血管損傷による出血性ショックなどを生じやすく致命的となる可能性がある。さらに救命救急センターを有する施設では頸部外傷のみならず他部位の損傷も合併することが多く,見逃さないよう注意を払う必要がある。また時には全身管理の必要もあるため局所所見にとどまらず全身状態を的確に把握することも必要である。われわれは2004 ~ 2006年までに自殺企図による頸部切創を4例経験した。ショック状態の症例や頸部以外の損傷も3例に認めたので若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1)岸 泰宏・他:救命救急センターに収容された自殺者の実態のまとめ.医学のあゆみ 194:2000
2)宮本隆行・他:自傷行為による頸部切創の9症例.耳喉頭頸 75:389-392,2003
3)Markey JC Jr, et al:Penetrating neck wounds:a review of 218 cases. Am Surg 41:77-83, 1975
4)日本外傷学会外傷研修コース開発委員会(編):顔面・頸部外傷.外傷初期診療ガイドライン,へるす出版,東京,2004,pp137-146
5)田山二朗:喉頭外傷.耳鼻咽喉科診療プラクティス13,池田勝久・加我君孝・岸本誠司・久保武(編).文光堂,東京,2004,pp212-217
6)鈴木光也:頸部・気管食道の外傷.耳鼻咽喉科診療プラクティス13,池田勝久・加我君孝・岸本誠司・久保武(編).文光堂,東京,2004,pp224-227
7)鈴木博子:救命救急センターにおける自殺企図の実態.自殺企図その病理と予防・管理,樋口輝彦(編).永井書店,大阪,2003,pp146-154

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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