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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻7号

2007年06月発行

文献概要

鏡下咡語

パクス・ヤポニカでは女社会の台頭か

著者: 松永喬

所属機関:

ページ範囲:P.515 - P.518

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Ⅰ.パクス・ヤポニカ

 パクス(Pax)とはラテン語で『平和の女神』という意味だそうだ。パクス・ヤポニカは日本の平和,日本における平和と訳せる。山折哲雄氏1)がパクス・ヤポニカ論を展開し,川勝平太氏2)も詳しく述べている。塩野七生氏の『ローマ人の物語』のなかのパクス・ロマーナ3)(ローマによる平和)が有名な言葉でもある。

 縄文時代から現在までの約1万年の日本の歴史のなかで戦争がなかった平和な時代(パクス・ヤポニカ)が3回ある。平安時代後期,江戸時代後期と現代である。これらの時代にはいずれも人口の定常化の傾向がみられることから,社会学者はこの間に何らかの女性の社会的意思の向上があったのではないかと考えている。つまりパクス・ヤポニカには人口問題が絡んできている。そこで本稿は日本の人口問題からはじめる。

参考文献

1)山折哲雄:日本文化とは何か―パクス・ヤポニカの可能性.角川叢書,角川書店,東京,2004
2)川勝平太:文化力―日本の底力.ウエッジ,東京,2006
3)塩野七生:ローマ人の物語16,パクス・ロマーナ下巻.新潮文庫,新潮社,東京,2004
4)鬼頭 宏:人口から読む日本の歴史.講談社学術文庫,東京,2006
5)国立社会保障・人口問題研究所 (編):人口の動向―日本と世界.人口統計資料集.厚生統計協会,東京,2005
6)加来耕三(監),岸 祐二:手にとるように日本史がわかる本.かんき出版,東京,2004
7)磯田道史:武士の家計簿.新潮新書,新潮社,東京,2005
8)鈴木由紀子:大奥の奥.新潮新書,新潮社,東京,2006
9)日本婦人団体連合会 (編):女性白書2005―北京から10年,憲法と女性の人権は今.ほるぷ出版,東京,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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