耳鼻咽喉科・頭頸部外科79巻9号

2007年08月発行

原著

鼻腔内逆生歯牙の1症例

著者： 山口宗太¹ 大越俊夫¹ 大久保はるか¹ 持木茂樹¹ 樋口祐子¹ 大木幹文¹

所属機関： ¹東邦大学医学部耳鼻咽喉科学第2講座

ページ範囲：P.691 - P.693

Ⅰ．はじめに

　鼻・副鼻腔から発見される歯牙様組織は比較的稀である。鼻腔内に認められる逆生歯牙はわが国では1901年，金杉^1）の報告以来，100余例の報告があるが，実際には日常診療においてそのような症例に遭遇することは稀である。

　今回われわれは，無症状で発見された鼻腔内逆生歯牙の1症例を経験したので，若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

1）金杉英五郎：鼻腔内歯牙発生ノ一例（歯牙過贅）並ニ「デモンストラチオン」．日耳鼻 7：73-81，1901

2）鈴木盛明：上顎洞内過剰逆生歯牙の1例．耳鼻臨床 51：63-65，1958

3）天野孝志・他：鼻腔内逆生歯の1例とその文献的考察．耳鼻 36：1126-1131，1990

4）小田明子・他：鼻腔内に萌出した逆生歯1例．耳鼻 44：139-144，1998

5）穐山直太郎・他：固有鼻腔内逆生歯の2例．耳鼻臨床 97：963-966，2004

6）伊藤　勇・他：固有鼻腔内にみられた逆生歯牙の1症例．耳鼻頭頸 70：450-452，1998

7）山内大輔・他：埋没過剰歯牙であった固有鼻腔内逆生歯牙の2症例．耳展 42：604-608，1999

8）岡　秀樹・他：内視鏡下に摘出した上顎洞逆生歯牙例．耳鼻臨床 98：373-376，2005

9）渡邊弘子・他：逆生歯牙を核とする鼻石の1症例．耳鼻頭頸 76：130-133，2004