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鏡下咡語
開業医からみた最近の医療問題
著者: 金子豊1
所属機関: 1金子耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.73 - P.75
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
私は1999年に『耳鼻咽喉科診療と少子化』と題して報告を行ったとき,『総医師数は毎年5,000人以上は増加しており,2005年以降は人口が減少し少子高齢化が進行するので,国民1人当たりの医療費が現在と等しければ2050年には医師1人当たりの収入は1/2になる』という厚生省の予測を引用した。確かに2005年にピーク(1億2,776万7千994人)に達した総人口は,現在減少しはじめている。一方,高齢者人口は増え続け2020年には3,500万人を超え,2050年には総人口の約4割を占めるようになると予測されている。特に団塊の世帯が後期高齢者(75歳以上)になる2025年ごろから介護,医療が深刻な社会的問題となる(厚生労働省・国民生活基礎調査2004)。20年後のために医療界で整備されねばならないことは多い。医師の収入まで予測どおりにならないことを祈っている。
以下,医療に関する最近の話題について私見を述べる。
私は1999年に『耳鼻咽喉科診療と少子化』と題して報告を行ったとき,『総医師数は毎年5,000人以上は増加しており,2005年以降は人口が減少し少子高齢化が進行するので,国民1人当たりの医療費が現在と等しければ2050年には医師1人当たりの収入は1/2になる』という厚生省の予測を引用した。確かに2005年にピーク(1億2,776万7千994人)に達した総人口は,現在減少しはじめている。一方,高齢者人口は増え続け2020年には3,500万人を超え,2050年には総人口の約4割を占めるようになると予測されている。特に団塊の世帯が後期高齢者(75歳以上)になる2025年ごろから介護,医療が深刻な社会的問題となる(厚生労働省・国民生活基礎調査2004)。20年後のために医療界で整備されねばならないことは多い。医師の収入まで予測どおりにならないことを祈っている。
以下,医療に関する最近の話題について私見を述べる。
参考文献
・耳鼻咽喉科医療に関する全国調査:基礎調査,通常調査.日耳鼻,1994-2007
・金子 豊・他:耳鼻咽喉科診療と少子化.耳喉頭頸 71:718-724,1999
・水越 治・他:米国の診療報酬の考え方―日本の現況を見直すために.美蕾No. 44,1997,No. 45,1998
・水越 治・他:シンポジウム「専門医としての耳鼻咽喉科診療」資料集.87回日耳鼻総会,1986
・国勢調査:人口統計資料集.2006
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