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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科80巻11号

2008年10月発行

原著

めまい患者の動向―2,281例の経験から

著者: 野末道彦1

所属機関: 1耳鼻咽喉科野末クリニック

ページ範囲:P.775 - P.779

文献概要

Ⅰ.はじめに

 めまいを訴える患者は複雑な社会情勢を反映して,診療所,病院を問わず増える傾向にある。そのため,めまい患者の統計的観察という論文1~3)は数多くみられる。その背景には第1に高齢者が多くなったこと,第2にメディアによる健康・病気・長寿などに関する報道が増え,めまいについても重大な病気を心配して不眠やストレスを訴える患者が多くなったこと,第3に画像診断をはじめとする医療機器の長足の進歩があり,患者も詳細な検査を希望する傾向が強くなったことなどが挙げられる。したがって,めまい患者についても,広く心身医学的面から考える全人的医療が重要になってきている。このような意味から筆者が開業医として経験しためまい患者の動向についてまとめたので報告する。

参考文献

1)浅井美洋・他:めまい症例の統計的観察―随伴症状を伴わない突発性回転性めまい発作についての検討.耳展 34:533-538,1991
2)江上徹也:開業医の立場からみためまい診療.Equilibrium Res 58:601-607,1999
3)橋本美咲子・他:めまい外来の臨床統計.耳鼻臨床 100:629-635,2007
4)水野正浩・他:メニエール病ならびにその周辺疾患について―診療に有用な数値表.日臨 32:1414-1421,1974
5)小松崎 篤・他:めまいの診断基準化のための資料―1987年めまいの診断基準化委員会答申書.Equilibrium Res(Suppl) 11:29-57,1995
6)加我君孝:めまいの構造.金原出版,東京,2006,pp193-213
7)室伏利久・他:めまい症例における心理状態の検討―POMSを用いて.Equilibrium Res 65:30-34,2006
8)野末道彦:めまい患者の心理と取り扱い.JOHNS 12:875-878,1996
9)安田宏一:難治性めまいとうつ傾向.Equilibrium Res 58:317-322,1999
10)菅原一真・他:めまいとストレスの関連について―インターネットを用いたアンケート調査.目耳鼻 106:866-871,2003
11)高橋正紘:メニエール病の謎.耳鼻臨床 95:210-211,2002
12)関根基樹・他:睡眠制限が起立姿勢に及ぼす影響.Equilibrium Res 64:446-450,2005
13)宮崎総一郎:睡眠障害の理解.耳鼻臨床 99:427-434,2006
14)増田圭奈子・他:めまい診療における耳鼻咽喉科の役割.Equilibrium Res 65:48-56,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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