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特集 聴神経腫瘍の治療:症例呈示と治療原則
2.聴神経腫瘍の治療指針
著者: 高田雄介1 小林俊光1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学
ページ範囲:P.924 - P.928
文献購入ページに移動Ⅰ.はじめに
聴神経腫瘍の治療は手術,ガンマナイフなどの放射線,経過観察の3つに大きく分けられる。良性腫瘍である本疾患は,手術により完全に摘出することが理想だが,顔面神経麻痺などの合併症のリスクや,腫瘍径,残存聴力,年齢,全身状態などを考慮して治療方針を立てる必要がある。
手術治療を選択する際,有効な残存聴力のある小ないし中型腫瘍は,聴力温存を検討するが,聴力喪失の症例や聴力は良好であっても大腫瘍の症例の場合,顔面神経の温存と全摘を優先する。その目的のためには,脳の牽引が少なく良好かつ広範な視野確保が図れる経迷路法(拡大経迷路法)が有用性の高い術式であると筆者らは考えている1)。
聴神経腫瘍の治療は手術,ガンマナイフなどの放射線,経過観察の3つに大きく分けられる。良性腫瘍である本疾患は,手術により完全に摘出することが理想だが,顔面神経麻痺などの合併症のリスクや,腫瘍径,残存聴力,年齢,全身状態などを考慮して治療方針を立てる必要がある。
手術治療を選択する際,有効な残存聴力のある小ないし中型腫瘍は,聴力温存を検討するが,聴力喪失の症例や聴力は良好であっても大腫瘍の症例の場合,顔面神経の温存と全摘を優先する。その目的のためには,脳の牽引が少なく良好かつ広範な視野確保が図れる経迷路法(拡大経迷路法)が有用性の高い術式であると筆者らは考えている1)。
参考文献
1)Sanna M, et al:Enlarged translabyrinthine approach for the management of large and giant acoustic neuromas:a report of 175 consecutive cases. Ann Otol Rhinol Laryngol 113:319-328, 2004
2)小林俊光・他:拡大後迷路法による聴力保存聴神経腫瘍手術.耳鼻臨床 97:6-7,2004
3)Sanna M, et al:Atlas of acoustic neurinoma microsurgery. Thieme, New York, 1998, p37
4)Kanowitz SJ, et al:Auditory brainstem implantation in patients with neurofibromatosis type 2. Laryngoscope 114:2135-2146, 2004
5)Falcioni M, et al:No cerebrospinal fluid leaks in translabyrinthine vestibular schwannoma removal:reappraisal of 200 consecutive patients. Am J Otol 20:660-666, 1999
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