耳鼻咽喉科・頭頸部外科80巻4号

2008年04月発行

原著

舌扁平上皮癌T2症例の検討

著者： 塚原清彰¹ 吉田知之² 渡嘉敷亮二¹ 伊藤博之¹ 清水顕² 平松宏之² 清水重敬¹ 岡本伊作¹ 鈴木衞¹

所属機関： ¹東京医科大学耳鼻咽喉科学教室 ²東京医科大学八王子医療センター耳鼻咽喉科頭頸部外科

ページ範囲：P.335 - P.337

文献概要

Ⅰ．はじめに

　舌癌T2は最大径が2cmを超えるが4cm以下の腫瘍と定義されている。そのため腫瘍が表層のみに存在するものから，深部浸潤するものまで多岐にわたる。また施設により治療方針も異なるのが現状である。今回，1993～1998年の間に当科で行った舌癌T2の治療結果について文献と比較して検討する。

参考文献

1）Tsukahara K, et al：Useful combination of intra-arterial chemotherapy and radiation therapy for the lateral oropharyngeal wall cancer. Acta Otolaryngol 2007（in press）

2）塚原清彰・他：THP動注療法における中咽頭側壁癌局所制御についての検討．日気食会報 57：273-276，2006

3）犬山征夫：舌癌治療の問題点―化学療法は転移を防げるか．耳鼻 34：1381-1387，1998

4）小野　勇：本邦における舌癌の治療と遠隔成績．耳鼻 34：1333-1335，1988

5）湯元英二・他：舌癌の治療経験―愛媛大学耳鼻咽喉科学教室14年間の成績．耳鼻臨床 85：411-417，1992

6）朝陰孝宏・他：手術治療を中心とした舌癌の治療成績．頭頸部腫瘍 25：118-122，1999

7）天笠光雄・他：舌癌の療法別治療成績―特にStage Ⅰ，Ⅱを中心に．日癌治 20：758-764，1985

8）村川哲也・他：舌癌34例の治療成績．耳鼻臨床 92：743-748，1999

9）平木信明・他：舌扁平上皮癌症例の検討―N0症例の検討を中心に．耳鼻臨床 95：1255-1260，2002

10）柴山将之・他：舌癌治療成績の検討．耳鼻臨床 99：743-749，2006

11）Giacomarra V, et al：Predictive factor of nodal metastases in oral cavity and oropharynx carcinomas. Laryngoscope 109：795-799, 1999

12）八木克憲・他：T1，2N0舌癌における頸部リンパ節後発転移症例の検討．頭頸部外科 3：187-193，1993

13）糸数哲郎・他：当教室における舌癌症例の検討．耳喉頭頸 71：921-924，1999

14）Spiro RH, et al：Predictive value of tumor thickness in squamous carcinoma confied to the tongue and floor of the mouth. Am J Surg 152：345-350, 1986

15）木村幸紀・他：舌癌切除後のリンパ節転移の予知因子について―舌部分切除単独治療症例を用いての検討．頭頸部腫瘍 22：78-82，1996