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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科80巻7号

2008年06月発行

文献概要

原著

顔面,頸部ガス壊疽が生じた透析患者の1症例

著者: 渡辺麗子1 相馬啓子1 伊藤まり1

所属機関: 1日本鋼管病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.481 - P.485

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Ⅰ.はじめに

 ガス壊疽とはガス産生を伴う壊疽性の軟部組織感染症のことであり,起炎菌により嫌気性グラム陽性桿菌であるクロストリジウム性とそれ以外の非クロストリジウム性に分けられる1,2)。今回われわれは透析中という易感染性の状態を背景に,顔面と頸部にガス産生を伴う皮膚の進行性壊死をきたした非クロストリジウム性ガス壊疽を経験した。非クロストリジウム性ガス壊疽の頭頸部領域における発生率は低いものの致死率は比較的高く2,3),早期の診断と早急な治療が重要である。自験例における治療経験を若干の文献的考察を加えて報告する。

参考文献

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4)木村美和子・他:齲歯から生じた頸部ガス壊疽の1症例.日気食会報 56:484-488,2005
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の褥創,皮膚潰瘍に対する臨床的有用性の検討.西日皮膚 60:79-87,1998
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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