文献詳細
鏡下咡語
文献概要
Ⅰ.はじめに
学校保健に永年かかわってきた関係上,『鏡下咡語』に執筆依頼を受けたこの機会に学校保健のなかでの耳鼻咽喉科の変遷を書き残すことにした。戦後のベビーブーム時代の就学児童生徒数の多人数に対して耳鼻咽喉科医の数も少なくその対応に苦労された先達がいろいろと批判もあったが,『重点的健診』の案を企画され,対応してきた。学校保健の抱える問題点は複雑多岐で少子高齢化社会,都市化,核家族化,情報社会化などの社会環境やライフサイクルの変化が著しく,子どもたちの心身への影響は大きく,山積している現況である。
耳鼻咽喉科学校医も各地で定期健診ばかりでなく健康教育,学校保健委員会活動で日頃活躍しており,平成19年度の日本耳鼻咽喉科学会の調査でも耳鼻科の健診率が約80%まで向上していることがわかり,よろこばしい限りである。
なお,日本医師会では新しい学校医活動のなかに健康教育に力点をおいた学校医のあり方に方向性を示すことになり,日本耳鼻咽喉科学会学校保健委員会に助成金が給付され,『耳鼻咽喉科の健康教育マニュアル』を作成し好評を得ていることと,『学校保健のQ and A』を日本耳鼻咽喉学会HPに載せており,広く利用されていることを書きそえる。
学校保健に永年かかわってきた関係上,『鏡下咡語』に執筆依頼を受けたこの機会に学校保健のなかでの耳鼻咽喉科の変遷を書き残すことにした。戦後のベビーブーム時代の就学児童生徒数の多人数に対して耳鼻咽喉科医の数も少なくその対応に苦労された先達がいろいろと批判もあったが,『重点的健診』の案を企画され,対応してきた。学校保健の抱える問題点は複雑多岐で少子高齢化社会,都市化,核家族化,情報社会化などの社会環境やライフサイクルの変化が著しく,子どもたちの心身への影響は大きく,山積している現況である。
耳鼻咽喉科学校医も各地で定期健診ばかりでなく健康教育,学校保健委員会活動で日頃活躍しており,平成19年度の日本耳鼻咽喉科学会の調査でも耳鼻科の健診率が約80%まで向上していることがわかり,よろこばしい限りである。
なお,日本医師会では新しい学校医活動のなかに健康教育に力点をおいた学校医のあり方に方向性を示すことになり,日本耳鼻咽喉科学会学校保健委員会に助成金が給付され,『耳鼻咽喉科の健康教育マニュアル』を作成し好評を得ていることと,『学校保健のQ and A』を日本耳鼻咽喉学会HPに載せており,広く利用されていることを書きそえる。
参考文献
1)神辺邦繁:学校保健のなかの耳鼻咽喉科.耳鼻咽喉科学校保健の動向,日本耳鼻咽喉科学会学校保健委員会(編).1984,pp26-28
2)池松武之亮:学校保健と耳鼻咽喉科医.耳鼻咽喉科臨床(編).74:12,1981
3)松永 喬:学校保健委員会.日本耳鼻咽喉科学会学会百年史,1993
4)荒木元秋:耳鼻咽喉科の学校保健―歴史的展望.耳鼻咽喉科臨床(編).74:12,1981
5)浅野 尚:健康診断の制度の変遷.耳鼻咽喉科学校保健の動向,日本耳鼻咽喉科学会学校保健委員会(編).2000,2月
6)文部省:学校保健百年史.日本学校保健会(編).第一法規,東京,1973
7)江口篤寿・他:現代学校保健全集.ぎょうせい,東京,1987
8)江口篤寿・他:学校保健大辞典.ぎょうせい,東京,1996
9)日本耳鼻咽喉科学会学校保健委員会(編):昭和58年版耳鼻咽喉科学校保健文献集.1983
10)日本学校保健会(編):日本学校健会八十年史.日本学校保健会,東京,2005
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