耳鼻咽喉科・頭頸部外科80巻9号

2008年08月発行

原著

鼻腔転移で発見された腎癌

著者： 竹尾哲¹ 竹内万彦¹ 角田貴継¹ 宮本由起子¹ 間島雄一¹

所属機関： ¹三重大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科

ページ範囲：P.615 - P.618

Ⅰ．はじめに

　鼻副鼻腔領域に他臓器からの転移性腫瘍が発生するのは0.7～2％と稀である^1,2）。今回，われわれは転移性鼻腔腫瘍による症状を契機に発見された腎細胞癌の1例を経験したので報告する。

参考文献

1）加藤雅也・他：腎癌の副鼻腔転移の1例．日鼻誌 34：323-328，1996

2）石川和郎・他：腎癌の鼻腔・上顎洞転移の1例．耳喉頭頸 63：513-516，1991

3）Bernstein JM, et al：Metastatic tumors to the maxilla, nose and paranasal sinuses. Laryngoscope 76：621-650, 1966

4）世良公志・他：転移性上顎洞癌の一例．耳鼻臨床（補） 27：89-96，1988

5）溝尻源太郎・他：転移性篩骨洞精上皮腫の1例．耳喉 52：1053-1057，1980

6）里見佳昭・他：腎癌の耳鼻咽喉科領域への転移症例．臨泌 28：611-616，1974

7）Hessan H, et al：Urogenital tract carcinoma metastatic to the head and neck. Laryngoscope 96：1352-1356, 1986

8）Flocks RH：Incidence of head and neck metastases from genitor-urinary neoplasms. Laryngoscope 83：1527-1539, 1973

9）蔦　佳尚・他：腎細胞癌の耳下腺転移の1例．耳鼻 36：7-10，1990

10）山尾　裕・他：篩骨洞転移にて発見された腎細胞癌の1例．泌尿器外科 17：1123-1126，2004