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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科81巻10号

2009年09月発行

シリーズ 専門医試験への対応

―5.横断的問題―2)外傷(顔面)

著者: 春名眞一1

所属機関: 1獨協医科大学耳鼻咽喉・頭頸部外科

ページ範囲:P.695 - P.699

文献概要

Ⅰ はじめに

 顔面外傷の受傷原因は,成人例では暴力,交通事故,スポーツが全体の2/3を占める1)。一方,小児においては,交通事故,スポーツが多く,喧嘩によるものが少ないのが特徴である。最近の成人例では鼻副鼻腔骨の気泡化の発育が良好で,スポーツや喧嘩による骨折,特に眼窩吹き抜け骨折の割合が増加している。一方,交通事故の増加などによる顔面の複雑骨折では,受傷部位が頭蓋,眼窩,歯に及ぶことが多く,緊急性を要す。特に,気道狭窄,ショック,頭蓋内合併症があれば,当然,それらの処置を優先する。その後に顔面の骨折による機能障害に対して診断および治療となる。鼻骨骨折,鼻中隔血腫,鼻中隔骨折,眼窩吹き抜け骨折,頰骨・上顎骨骨折,前頭骨骨折(Le FortⅠ~Ⅲ)が挙げられる。

参考文献

1)実吉健策・他:当科における過去5年間の顔面外傷整復症例について.耳展 40:416-420,1997
2)加瀬康弘・他:鼻骨骨折.JOHNS 10:1047-1051,1994
3)深見雅也:鼻骨骨折―外傷と耳鼻咽喉科.Ⅱ.鼻・副鼻腔.耳喉頭頸 69:60-64,1997
4)高橋 良・他:陳旧性鼻中隔骨折の形成外科的処置.耳展 48:785-793,1976
5)山口展正:内視鏡下のblowout fracture整復術.JOHNS 16:95-98,2000
6)鴻 信義・他:眼窩吹き抜け骨折の手術.頭頸部外科 10:79-84,2000
7)春名眞一・他:小児期における頭頸部外科―問題点とその対応.小児慢性鼻副鼻腔炎と鼻副鼻腔外傷(眼窩吹き抜け骨折).頭頸部外科 9:17-22,1999
8)内田 豊:鼻骨・上顎骨・頰骨骨折整復術.耳鼻咽喉・頭頸部外科手術アトラス上巻,小松崎 篤(編).医学書院,東京,2000,pp356-362
9)毛利 学・他:顔面外傷.耳鼻咽喉科外傷.ENTNow,森山 寛(編).メジカルビュー社,東京,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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