文献詳細
シリーズ 専門医試験への対応
文献概要
Ⅰ はじめに
顔面外傷の受傷原因は,成人例では暴力,交通事故,スポーツが全体の2/3を占める1)。一方,小児においては,交通事故,スポーツが多く,喧嘩によるものが少ないのが特徴である。最近の成人例では鼻副鼻腔骨の気泡化の発育が良好で,スポーツや喧嘩による骨折,特に眼窩吹き抜け骨折の割合が増加している。一方,交通事故の増加などによる顔面の複雑骨折では,受傷部位が頭蓋,眼窩,歯に及ぶことが多く,緊急性を要す。特に,気道狭窄,ショック,頭蓋内合併症があれば,当然,それらの処置を優先する。その後に顔面の骨折による機能障害に対して診断および治療となる。鼻骨骨折,鼻中隔血腫,鼻中隔骨折,眼窩吹き抜け骨折,頰骨・上顎骨骨折,前頭骨骨折(Le FortⅠ~Ⅲ)が挙げられる。
顔面外傷の受傷原因は,成人例では暴力,交通事故,スポーツが全体の2/3を占める1)。一方,小児においては,交通事故,スポーツが多く,喧嘩によるものが少ないのが特徴である。最近の成人例では鼻副鼻腔骨の気泡化の発育が良好で,スポーツや喧嘩による骨折,特に眼窩吹き抜け骨折の割合が増加している。一方,交通事故の増加などによる顔面の複雑骨折では,受傷部位が頭蓋,眼窩,歯に及ぶことが多く,緊急性を要す。特に,気道狭窄,ショック,頭蓋内合併症があれば,当然,それらの処置を優先する。その後に顔面の骨折による機能障害に対して診断および治療となる。鼻骨骨折,鼻中隔血腫,鼻中隔骨折,眼窩吹き抜け骨折,頰骨・上顎骨骨折,前頭骨骨折(Le FortⅠ~Ⅲ)が挙げられる。
参考文献
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