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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科81巻2号

2009年02月発行

原著

顎下腺腫瘍における細胞診の信頼性と術式選択

著者: 中沢裕子1 中溝宗永1 横島一彦1 粉川隆行1 酒主敦子1 稲井俊太1 島田健一1 八木聰明1

所属機関: 1日本医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.103 - P.107

文献概要

Ⅰ.はじめに

 顎下腺腫瘍は耳下腺腫瘍よりも発生頻度は低いが,全体に占める悪性腫瘍の割合が高く,その予後も悪いとされている1)。したがって,顎下腺腫瘍における術前の良・悪性の診断には注意を要すると考えられる。

 当科では,顎下腺腫瘍の手術に際して穿刺吸引細胞診(以下,FNAと略す)で良性との結果が得られても,病歴や触診所見,画像診断などで悪性腫瘍が否定できない場合には,顎下部郭清術や所属リンパ節摘出術を行ってきた。しかし顎下部の手術では,顔面神経下顎辺縁枝の麻痺の可能性や整容面での問題から,侵襲の大きい顎下部郭清術を避けたいところである。

 そこで,今回は当院で一次治療を行った顎下腺腫瘍症例の術前FNAに着目し,その結果と最終病理診断の関連性,術式や術後合併症について検討することで術式の選択について考察した。

参考文献

1)Ellis GL, et al:Tumors of the salivary grand. Armed Forces Institute of Pathology(AIFP), Washington, 1996, pp31-38
2)頭頸部TNM分類研究唾液腺関係資料(1958年~2002年症例のTNM分類および予後):日本TNM分類委員会頭頸部小委員会唾液腺部門.2003
3)安松隆治・他:唾液腺腫瘍における術前細胞診,術中迅速組織検査の有用性.頭頸部腫瘍 26:6-11,2000
4)有光佳苗・他:唾液腺穿刺吸引細胞診,組織診と細胞診の不一致例の検討.臨床検査 44:579-582,2000
5)安藤一郎・他:唾液腺腫瘍の穿刺吸引細胞診.耳鼻臨床 95:1247-1254,2002
6)和田江美子・他:唾液腺穿刺吸引細胞診の診断成績に関する検討.日臨細胞会誌 43:155-160,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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